Utakata
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赤月 宙
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心無き アンドロイドになれたなら (
A
I
だって、歌は歌うし)
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善良で 無垢な人らの やさしさで かろうじて走る 世界システム
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君こそが 王子様だと 思うけど 「ノートルダムの鐘」 で泣くひと
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すみません。……うまく仕留められなかった 2Bの鉛筆を持った彼は
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行ってくれ 僕にはいけないところまで。 出したバトンは、宙を舞った。
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死に場所を 選ばせてくれ、(空が見たい) 彼の願いは しりぞけられた
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この世界 叶わぬ夢と 叶う夢 どちらかだけならよかったのにね
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テーブルで じっとふたりを待っている マカロニサラダ 無限ピーマン
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張りつめた 弦につがれた 赤い矢の 放たれるときを ずっと待ってる
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選ばれた 選ばれてしまったばかりに 選ばれ続けなければならない
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さくら色の インクの壜から生まれたため 指先がすこし、さくら色のひと
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好きだった みかんの「み」 の字を囓っても もはや甘くも しょっぱくもない
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「先、行って」 今から走ったってもう 世界の果てには間に合わないし
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知らなけば なんにも迷わないですむ 打ちのめされるために買う靴
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そうですね。特になんにもないんですが ちょっと、伸ばしてみようかなって。
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人として 正しくあろうとするだけで 歪に磨り減る 輝かぬ石
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僕はもう ホトトギスではないもので なきもしないし 死にたくもない
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花の色は 青く染まって思い出す 君の癒えない 悲しみのこと
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君のその まるい瞳の面積を 求める式を 教えてください
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両足と 歌をつむげる両の手を 持っているのに、どこにもいけない
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階段を 登ったけれど シンデレラにはなれなくて 首を吊られる
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傷付けば 傷付いただけ 五線譜が 君だけの詩が 生まれる二月
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かなしみを 一切溶かして しまいたい 君のつむじを見て 思う夜
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可能なら 定時でおうちに 帰りたい それがそんなに ぜいたくですか
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泣けるなら 泣いてください そうしたら 君のお声を 飲ませてください
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世知辛い この世を生きるすべとして 君の御声を 買わせてください
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「生きる糧」と みなが貴方をむさぼって 磨り減る様は 幸福の君
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麦チョコや 玉子ボーロやハムスター ちっちゃいものを 愛しがる君
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わらわない 君が好きだよ 報われぬ ひとのおもいを知っているから
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神さまが 君のつむじをこしらえた時から 星は右にまわるよ
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