赤月 宙
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遥かなる 澄んだ夜空をのぞむため きれいな石に 気づかない君
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舞台袖 大事な人らと破顔する 「笑顔が苦手」 と うそぶくあなた
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「その花は 造花ですよ」 と通行人 それでも僕は 水をやるんだ
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手放しで きれいに立っていられない 影からからみつく希死念慮
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眠ってる 間に殺してくれたらいい ……あぁ残念、また朝が来た
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ぼくのなか あふれるほどの 歌と詩を 流し込んで 去ってゆくひと
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磨り減らない 搾取されない 君ならば プラスチックのりんごでもいい
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甘えない 君が好きだよ だから僕 はちみつ持って 待ってるからね
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可能なら 僕にはボスはいませんが なるべく早く たすけてください
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心臓と 肺がちいさく爆発し 宇宙ができた、きみのせいです
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美しい世界で生きる 君を背に 僕はすすにまみれた虫をねじる
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「落ち着いて 素数を数えろ? 了解だ …………ごめん、素数って何?」
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叶うなら 虎になりたい 荒野にて 君を想って この詩を叫ぶ
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明日にでも 僕がつかめなかった緋を 君はたやすくつかむでしょうね
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「生きてゆけ」やさしく差し伸べられた手を 振りほどけずに、泣きながら立つ
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目の奥を 焦がされるような輝きに 幾度も泣くが 目をそらせない
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何万年 生きるつもりか知らないが 探せばいいさ、居場所とやらを
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何度でも やりなおせるとは言うけれど 過ぎてく時間だけは無言で
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生きるとは 敗戦処理だ? ばかやろう 闘えたことを、きちんと誇れ
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僕の身は ちっぽけなので 涙とか 愛だとか、すぐあふれてしまう
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君という 大きな槌に 叩かれて 僕はどんどん 澄んでしまうの
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傷口を わざわざさらす 理由はない だからわたしは 口を閉ざすわ
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自由律短歌を何首 詠んだとて 自由になれたためしなどない
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僕だけが いない街です 僕だけが ただ僕だけが いない街です
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魂を 自らの手で 研磨して 濡れて輝く 悲しきダイヤ
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あまりにも まぶしくひかり つぶれた目 故に呼ばれる “恋は盲目”
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沈黙が 風が通りすぎてゆく おそらくもっと、大事なものも
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カーストの てっぺんにいるやつらには そもそも下など見えてはいない
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空色の 石を眺めて 僕はせめて 遠くの君の 無事を願うよ
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栞など 使わないなと思ってた 大人になるって すこしさみしい
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