Utakata
登録
Login
灯屋
フォロー
227
フォロワー
221
投稿数
1097
学びの旅から帰ったら皆さんまた灯屋を迎えてくれる?
« 最初
‹ 前
…
18
19
20
21
22
23
24
25
26
…
次 ›
最後 »
夕陽差し明暗しだいに増してきて高層ビルは発火してゆく
9
僕もだよ寂しがりだね草の穂にすがりて動かぬてんとう虫は
8
孤独感ふかめて独り歩きゆく夜に落つ花風にころがる
10
この庭の雑草強く空からの陽も雨も月も栄養とする
11
クマゼミは死に物狂いで夏知らせ狂えぬ僕は少しだけ泣く
15
雨宿りどこでしたのかうちの猫虹眺めつつ足を拭かれて
10
揺らぎいる哀しい予感祈りをり貝の風鈴小さく響く
10
叫びたる鋭き獣棲むわれにコーティングする無害な糖衣
8
即身の仏か祖母は細くありクーラー入れぬと意地を張りつつ
8
地の上に着くかと見えて跳ね返り狂おしく舞う夏の夕立
8
玄関に母が寄せ植えしてる花学校帰りの僕に優しい
9
生きている僕らだけ知る死の哲学 夕焼けに鳴くつくつく法師
6
ハンガーにかける制服ゆっくりと回りて僕に向き合ってくる
9
「いつもの出しておきますね」耳鼻科医の薬が効いて柔いねこ抱く
8
君はもう僕を忘れているんだろ 君から借りた春樹は読まない
10
薔薇の聲聴こえなくなりさみしけれ蝶と戯れ笑みならばよし
7
切なさは空から降って風に消ゆ 言ってみようか小さくバイバイ
10
「もう冷めた」言われた後に飲み込んだぬるくて苦いアイスコーヒー
9
龍のよう幼きころの担任は空に泳いで消えゆくけむり
11
顔あげて画面じゃなくて僕をみて孤独にさせる君はきらいだ
10
雨の中走った靴がじゅめじゅめと玄関タイルを卍に濡らす
10
ナナカマド枝おろされてアスファルト昨日と違う影絵を歩く
12
夜明けとは清潔なものしらじらとブラインド横そっと顔だす
7
模試終わりキシリトールを噛んでいる味のせぬゴムただ黙々と
7
あぁ、これはきっと「許してあげるわ」の母の心だ夕食パエリア
7
僕だけだやっぱり今日も僕だけだ僕だけなんだ 世界で一人
7
ドア向こう開ければ夏になるらしい 僕は数IIのチャートばかりする
18
生きている実感欲し駆け出した 砂利に芽吹いたアサガオの碧
8
不器用な僕にりっぱな武器はなく「好きだったよ」とつぶやいてみる
9
傷ついた水鳥に帰る場所があり夕焼け小焼け「おかえりなさい」
8
« 最初
‹ 前
…
18
19
20
21
22
23
24
25
26
…
次 ›
最後 »