Utakata
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灯屋
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学びの旅から帰ったら皆さんまた灯屋を迎えてくれる?
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透きとおる青空それはスライドし雨アスファルト黒く染む 雨
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一人居の祖父の裏庭わっさりと今年も葡萄ずっといきてて
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まるい虹かかればみんなペンを置き窓に集まる子供の目をして
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真夜中に期限切れなるどら焼きを昨夜食べたわ 僕、元気です
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窓開けて入り来しならむたんぽぽの綿毛はしばし老猫と遊ぶ
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朝の陽は閃光となる紋白蝶ポニーテールの君が横切る
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月見えず雨の電話は雨が聴き 僕の弱音は誰に話さず
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月光がこぼれて濡れるアスファルト秋の空気は雨待ちながら
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人の世に幸不幸あり名月はすべて見ている手出しはせずに
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暮れなずむうろこ雲支え曼珠沙華 鈴虫お前も紅く染まるか
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泣いている君の頭を撫でながらけっこう僕もへこんでるんだ
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君のペン君の小説君のお茶 僕の部屋には君だけいない
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右腕の二十七個の骨たちを励ましなだめ試験に挑む
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二週間前の僕らの生活を試されるため おでこ差し出す
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マスクとる君を初めて見た時に鳴ったチャイムと雨の匂いと
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この風は秋の素粒子滲ませた学校帰りの君のくちぶえ
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貸りていた教科書の隅「バカ」と書き笑い合った日 忘れずにいて
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飲みかけで君が置きたるコカ・コーラ ベッドの下に置き去りの夏
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窓開けて半袖の腕すり抜ける秋の色した風木霊する
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夕焼けを合図にカーテン閉めるときここぞとばかりレールははしゃぐ
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なみなみとグラスを満たす透明は溢れてしまう不安があって
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何度目の「コロナ感染過去最多」壊れ始める平熱の僕
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雨上がり茜がとどく窓ぎわに蜘蛛はたくみに金の罠はる
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君の声記憶もすでにうすれゆき今宵静かに消去しようか
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夕立に濡れる風情もまたよしと友の墓前で長く佇む
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小指から君の体温伝わって嘘つかないからこのまま切るなよ
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約束は小指の先からするするといつか忘られ言葉はたわむ
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小宇宙うつる雫のふくらみが水の輪となり光あつまる
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化粧塩美しく身を整えし豊かなる死でもてなす鮎は
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一分の祈り捧げる黙祷に我も我もと降る蝉しぐれ
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