刺草キロ
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シニアスタッフの営業マンです。同性同世代の歌に特に反応してしまいます。また、にわか相撲ファンです。

浪しぶき浴びても知らじ浜千鳥 散歩の犬と老人の影
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かぎろひを背負いて眺む白浪の轟々たるや館山の浜
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旅の宿 朝寝を愉しむつもりでも 結局いつもの時刻に目覚め
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山駆けて草食み育つ鹿の仔を 酒のアテにす猿の傲慢
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疲れ果て宿で昼寝のそのあとは 独りフレンチ メインは鹿の仔
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四時間の山歩き終え辿りつく お値段以上のフレンチの宿
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水仙がはやしおれたる安房の国 あざといほどの菜の花盛り
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ブロコリの頭のような丸い樹が南国旅情の安房の山々
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水練で鍛えたつもりのうぬぼれも この低山で不覚の大汗
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低山となめきっていた富山とみさんで 喘ぎ喘ぎて汗もしとどに
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髭剃れば少しはしゃんとするものぞ 明日は予定の一人旅ゆく
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てんつく太鼓ちょん柝ひとつ 化粧回し連なりて場所が春告ぐ
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8ミリの塩数の子で飯を喰む そはそれなりの米の旨さよ
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つまおっとならびて飾る八幡馬 なぜか悲しきなにゆえ哀しき
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「日残りて暮るるにいまだ遠し」って やっとわかったこの歳にして
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文章の体脂肪率15%ほどに 抑えたいとき文語体だな(まみた様へ)
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国歌より 母校の校歌もっとよし 何度聴いても涙ながるる
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スーパーはもともと寒いが真冬なら 寒さ二乗で指も紫
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冬の陽が直線的に輝けど 電気ストーヴほどのぬくさがやっと
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流星の話題を愚妻にふったなら 「横浜君しか知らん」と愚答
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和雀が何やら言いをる電線で おそらく気分が良いのであろう
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悲壮感被害者意識に酔いしれて 安全弱者の高み見物
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先輩の訃報が続き愕として 具体性帯ぶ己の黄泉路
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人目惹くモテ顔持つも辛かろう 幾多の視線と合ってはそらし(車内)
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行こうかなどうしたもんか思案中 今年始まる大阪万博
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今もなお千里の丘の中央に 独り遺さる太陽の塔
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茨木の少年時代は田の中で 異世界だった大阪万博
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太陽の黄金の顔のあの塔が勃っていてこそ大阪万博
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知人から鯉の甘露煮いただけど リアルな鱗に食指ためらう
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南総の犬伝説の山登り 湾越しに見ゆ出来過ぎの富士
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