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牡牛座の双子

悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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漆黒を走る流星お前もか俺も同じだひたすら孤独
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白桃とプルーンを前に悩んでる君の瞳にうつる惑星
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じいちゃんのつくった葡萄つややかだ良かった年も哀しい年も
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鰯雲眺めつ歩くなんだろうスタンド・バイ・ミー歌いたくなる
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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美容師にぼさぼさの眉カットされティシャツも靴もダサいまんまで
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髪の毛をメッシュに染めて夏休みメガネは真面目ズボンも真面目
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素人の文字の看板海の家斜めに落ちて夏も終わりつ
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コスモスという平凡が愛しくて秋の光をやわらかくする
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Amazonの段ボール箱溜まりゆく僕の物欲ごと潰したれ
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八月は透明な青と口にする花と木くぐる風に吹かれて
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八月は虫の音色がかわりだす幾万年の星の夜の下
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「まけとくよ」その言葉にも断れず買ったあなたの桃がやさしい
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拭いつつメガネのレンズ今日は何汚し汚され過ごした日なの
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メロンパン袋破ればバターの香 食べる楽しみ香る楽しみ
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約束は破られた方の負けだから。夕立降って傘貸したまま
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触れたくて触れられなくてほおずきはやわく包んでおそらく少女
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この街の夜の終わりを告げるため終電バスが扉を閉める
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抱き上げた爬虫類展のパイソンは舌で何度もピースを見せる
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菊の花一つ座席に忘れられ誰が乗ったの丘行きのバス
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世界一自分勝手なクワガタにきゅうりとゼリー甘やかす ぼく
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うっかりと君に触れたら感電死するかもしれぬ暑い浜辺で
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図書館に行こうとするとジーンズがグズって行けぬPМ一時
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湧き上がる寂しさあるがさらさらのタオルケットに夜はくるまる
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朝顔の花も葉もなお揺れており風のかたちを触れず見ている
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昨日今日、バナナとプラム茹でた芋ゴリラと同じ朝食を摂る
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あちぃなぁ何度も言いたいナイキ脱ぎクロックス履いてちょっとコンビニ
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起きたあとあくびしたっていいじゃんか夏休みだぜ うーんまた寝る
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混み合って君の背骨に手を当てば貝殻のよう 夏の砂浜
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