lightshop
136
133
投稿数
632

おうし座のふたご

齢二十歳取り柄はないがのうのうと生きてる僕はたぶん景品
23
真っ赤だと褒められたりんご刃で剝かれ自慢の真っ赤脱がされてゆく
27
ドーナッツ二口かじり「こ」も食べる。ぼっちな時間楽します技
28
新しきカレンダーにも慣れてきて若気の至りでなくなる今年
27
愚かなる昨日のわれが服を着て明日の自分を汚しにゆくか
23
「ありがとう」の五音を脱げぬもどかしさ母の言葉の棘 素手で受く
30
「ごめんね」を言えぬまま積む言の葉の 尖りて母を、僕を、傷める
33
この胸の熱き重みの正体は「逢えて良かった」と告げる一瞬
25
今までの悔い一つずつ拾いゆく暗がりの先に輝きを置け
28
朝の雪かがやきに目をひらきつつ かじかむ指を光にかざす
38
一生を不器用に通しゆくわれか皆が速足にゆく睦月を
30
あのときの僕の自由はナイフだし今の僕へと正しく届く
31
電磁波の海を漂う魂に冬がWi-Fiのように刺さる
23
「独り」より「大勢の中」にいる時のほうが正しく孤独になれる
49
既読さえつかぬ画面の奥側に冷えたままある僕のスタンプ
40
タイムマシーンあればあの日の僕の背を 叩いてやりたい「傲慢だよ」と
28
ストーブに一番遠い季節呼ぶ窓の雪見つガリガリ君を
28
「あなたには無理」の呪文を噛み砕く 塩味強め母のおにぎり
29
優等生でいられない場所、家にあり母のスープにほどかれる意地
26
こんな日も鳥が夜空をめくり上げ駄目な昨日をさえずりにする
40
結露するカーテン少しめくり上げ君が来るのを待つ一分間
21
曇りのち雨でもいいよ君となら相合傘の口実になる
25
「おいしいね」卵酒飲む横顔を見ていられたらもう、治りそう
19
優しい世界から零れた画鋲たち 踏まないように僕は踊るよ
23
コンビニの無駄な明るさ吸い込んで親の年収超えない予感
21
「ご飯だよ」呼ぶ声さえもさえずりに聞こえる朝は奇跡と思う
28
予言めく母の言葉を噛みしめる。汁粉の熱さ「言わんこっちゃない」
21
「連れてくよ」あの非常口の緑へと僕があなたの光になる日
20
悩み事さえもビタミンになるような そんな気がして剥く冬みかん
25
杖をつく爺ちゃん追い越す背中あり子供は風を連れて走るよ
24