虎杖麿
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くたびれた癌ができたと苦笑ふ五木寛之九十三歳 /中咽頭癌ステージ2
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フカヒレの姿煮箸に触れしときヤワラーのかの暑き日思ほゆ /バンコクのヤワラー通り
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年々のならいの如く今年また春節際の獅子を見に来つ /神戸南京町
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福豆の礼を装い手づからの小さき箱のチョコを呉れにき
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男にも女にもあるXの染色体を汝(な)は二つ持つ
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一煎目は君 ニ煎目はわれ ティーバッグ 一つをいつも分けて飲みにき
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恋心鎮め難かる夕暮れはスペアミントの茶を飲みにけり
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逢いたさに妹がり行けどわが心千々に乱れて行きつ戻りつ
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見送れば後ろ姿の消えつ見えつ告げやらましを飽かぬ思いは
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久方の光のどけき縁側に恋猫思い返り血を舐む /猫短歌
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血まみれのわが鈎爪に怖気づきわが恋猫は路地裏に消ゆ /猫短歌
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念入りに研ぎし鈎爪の一撃にかの恋敵塀越えて逃ぐ /猫短歌
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肉球を舐めつつ思う如何さまに打ちてしやまむかの恋敵 /猫短歌
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真夜中の恋争いに痛めたる我が肉球に指な触れそね /猫短歌
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如何さまに思ほしめせか日向ぼこ邪魔していじるわれの肉球 /猫短歌 本歌取り
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照れ臭いありがとうという言の葉も言いなれて娑婆は楽しかりけり
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頻尿の人にわが告ぐ 偽りの尿意のままに尿(ゆま)り給いそ/我慢することと見つけたり
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頻尿の人にわが告ぐ 滲むまで陰(ほと)握りしめ尿を溜めよと/我慢することと見つけたり
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日に三度何んで喰わねばならぬかとぐるぐる歩く暗き納戸を/偏執狂
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えげつない叱責聞こゆ部長よりもっとも遠いわが机まで/パワハラ上司
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大きなる赤子の如き友を看る 金の草鞋を穿いて得た妻/姉さん女房
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毎日の中川記者の賞受けし写真のパンダギター弾くがに/毎日新聞社中川祐一記者「報道写真の力」受講
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エアメールドイツの春を連れてくるコロナ禍あれど絶えることなく/2月18日エアメールの日
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取り過ぎの 税を返してもらうだけ ただそれだけのことに過ぎねど 確定申告
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幼くて涙の訳は知らねども眦拭う母と泣きにき 『母を恋うる記』
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四分余 楽の聞こえぬ ジョン・ケージの曲聞かされて ダダを思いぬ ジョン・ケージの『4分33秒』とダダイズム
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トーストに素早くバター塗りのばす手元に見惚れ珈琲を待つ 匠の技
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欠点をあげつらわぬを美徳とし交わりて早十年が過ぐ
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いくらにもならぬ還付の手間暇を思えば迷う税の申告 確定申告始まる
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かのひとを思いて花を選びしがその良し悪しをわれは知らずも 筑前琵琶演奏会祝花
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