のぎしり
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定形の日記なのだと思っています

ズボン下ももひきと言う昔から履けばそこから冬ってことだ
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久々に野歩き出れば虫蛙絶えて無きなり風鳥の鳴く
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寒いので脱走やめと猫の言う炬燵まだかと上目で見られ
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自分から辞めることだと辞任とは辞めさせられるが第一義だべ
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ストーブを離れぬ猫の寝床には炬燵要るぞと冬は来たらし
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友の言うコミック作はまず知らぬほぼガロだけを見てたと気づく
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初雪は十一月の二十日頃ほぼ降っていた何年か前
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やる時期にやっとかないと落ち着かぬ降らぬようでもタイヤ替えよう
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これからの一ヶ月間日の入りがほぼ四時半だテキパキ動け
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蜘蛛の糸ひっかかったかくるくると窓の真ん中踊る落ち葉よ
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おまえまだこんなところで遊んでていいのかと聞く電燈の蛾に
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たきなだろたきなたきなとぎんぼ刈る蕗はあったが錦木はない
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草じゃなくもう木じゃないか刃のたたぬ鎌振り思う夏のマジック
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長押しでなくちゃ切れないスイッチはあんた嫌いだ襟引っ張るな
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立てぬほど疲れ寝ててもウガニャオと鳴く声聞けば立ってる不思議
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血を流し倒れていれば熊だろと思えば意外人やったとか
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暖かい気分が乗らぬ雪囲いせねばならぬが切羽詰まらぬ
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パズル誌を二冊だけ持つレジ列の同年輩はボケ対策と
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黒服の男は見えず白服の女性で停める横断歩道
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あの斑模様はチビの毛の色と尻と尻尾が消えてく障子
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追われたと思っていたな赤とんぼ五時のチャイムはもう既に夜
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Aと仏壇そして猫Bで結界作り母を封じる
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ハロウィンの次はいきなりクリスマスいやちょっと千歳飴舐め待て
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三つある猫のトイレの一番は窓辺桧の香りの砂の
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出せと言う入るとも言ういや言わず佇むだけで猫は見もせず
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乱雑でゴミ箱のよな引き出しにあると思えば大抵はある
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狭いのだファンヒーターの天辺は尾脚が出ても空け渡せない
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もしかして十一月が一年で一番嫌だ。この頃気づく
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茜から藍へと向かう夕空に捥がぬ柿の実点描散らし
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神がいて神の民対神の民同じ神ただ見ているのだな
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