のぎしり
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定形の日記なのだと思っています

三毛のちび布団に埋もれボロ布を丸めたように眠っているよ
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居間の戸が勝手に開いてキッチの戸もガラリ開け誰か通った
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暮れてゆく感じがいいなハロウィンは黄昏の国十月が逝く
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雑草くさはもう勢い無くし雪囲いしてもいいぞと荒庭なれど
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一日がやたら短い暇なのにぼーっとしてる時間の永さ
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熊注意 ハロウィン注意 雹注意 十月終わり すぐ冬が来る
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この紐を新潮ならば使おうと思って仕舞うカバーの栞紐スピン
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よくこれを読もうとしてたものだなと発掘してる積読の底
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壊れかけ車庫シャッターのぐずる朝当てにならない我が腕ぢから
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柿吊れば渋の香清し風絶えて鳥鳴き空にヒコーキの雲
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ビュブブンとドップラー効果示しつつ眼の前過ぎてカメムシが行く
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玄関にやがて聞こえる猫さんのドタリ足音外に出せよと
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屋根に猫月を見ながら柿を干すベランダで受く風は冷たい
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喰い込めよなめるんじゃない噛んだままあと1cm回せよ螺釘ネジ
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怒りたくないのだけれど度が過ぎてシラケついでに怒鳴ってみたよ
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上るたび別の用事をやっつけて果たさず降りる無為の階段
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寒風に雪の匂いのする雨と吊るした柿の振れて夕暮れ
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モンブランふたつ買ったと豪勢な万年筆と思えば旨し
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紐づけたカードあるはず還元は現ナマいいな出番だマイナ
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見上げればまっすぐ顔に赤とんぼ真上から降り睨んで去った
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午後雨と もっとごうか皮剥いて鮮度あるうち吊るか柿の実
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年寄は何故皆ボケることごとく明日は我が身も誰世話をする
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酢と混ぜたバナナとカボチャまずいなと思いつつ飲むスムージーかも
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「あ」と言っているのだろうと後続のヤリスの口はチラ見て思う
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夏読むと揃えた本を今頃に片っ端から本を読む秋
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見るたびに色褪せ朽るその赤が墓石に似合うヒガンバナかな
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そいつこそあんたが基本持っている業であろうと身に覚えない
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台所まないたの上座っては猫さん見てる水の行方を
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やりきれずやってみたれば効いたのか思ったりするテロリズムかな
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葉叢から四方八方手を出しておいでおいでと薄穂笑う
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