美月みん
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短歌に出逢い、言葉を紡ぐことがとても楽しく美しいことだと知りました。
私にとって歌を詠むことは「心の浄化」です。

微睡んで読みかけのままの頁から夏が零れて八月晦日
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相席すポニーテールのライダーの蕎麦手繰る手ぞ日焼け眩しき
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種飛ばしスイカが実るうたた寝は課題終わらぬ八月晦日(三十一日)
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風凪ひで花火見あげる横顔と火薬の匂ひに終わりを知りぬ
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午後八時 きみの街から花火の音 ひとりビールで灯り探して
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カルピスのグラスに響く氷の音 『夏休みの友』頁を開く
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畑端一途に咲ける向日葵の誰をか見つめむ陽炎のなか
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「逢いたい」は絹擦れの音 ネクタイを解く仕草を見つめる時に
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母結いし赤きリボンの誇らしく『シンデレラ』にて義姉役演じる
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夕映えにきみの笑顔を浮かべてもグラスの結露がひと筋流るる
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午前四時 毛布の端の温もりにきみの匂いを確かめてみる
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炭酸の弾ける音を消すようにグラスに揺れる君の「さよなら」
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最終日 読みかけのままの頁から夏が零れて浮かばぬ感想
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午前二時 冷蔵庫の前君を待つチーズの欠片を灯す明かりと
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せめてもの枕に残る香りなら消臭剤でも君を消せない
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きみ宛の博多みやげは今日のうち茹でたてパスタとピンクの共演
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石鹸の君の残り香消える日にシャボンの香水つけるを許す
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改札を抜ける背中は滲みゆく入場券も許されぬ恋
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ポケットのレシートふたつの「オムライス」きみがスプーンを持つ手のかたち
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君の肩濡れないように持ち替えて期待している右手のネイル
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五月雨に涙尽くした紫陽花を縁どる「やくも」の車窓過ぎゆく
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五月雨が青く縁どる紫陽花の蒼き雫に刺す糸光る
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削れゆく消しゴムの角熱を帯び君の名前が白く刻まる
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オレンジの木綿のシャツは梅雨晴れにお日様の匂い風に靡(なび)かせ
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鼻緒切れ屈(かが)んだ君の足先に赤いネイルの線香花火
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初採りのトマトを輪切り香の青く二つの皿が夏のおめかし
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幼き日三つ編み結ひて刻まれし母の手の皺握り返しつ
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熱を帯び消しゴムの角削れゆくきみの名前を書いては消し
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ラタトゥイユ覚えし夏の夕餉にはふたつのグラスにトマトも映えて
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きみからの真珠が人魚の涙だと触れた瞬間ぽつり零れた
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