Utakata
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沢海 簿財
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春からは僕の新章「大学編」 どんな歌たち待っているかな
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鈴懸
(
プラタナス
)
並木の葉擦れ木漏れ日と戯れている君の前髪
11
岬へと続く階段思い切り君の手を取る 僕だけに凪
11
君を待つカフェでの虚無とコーヒーと
刻
(
とき
)
をうめてくエリック・サティ
19
夕焼けの色を模写したまるい花 梅雨が忘れていった紫陽花
8
遠くから途切れとぎれに聞こえくる公約の声自習教室
4
この空の延長線上 梅雨と夏 争う音か
空
(
から
)
のかみなり
10
梅雨明けの間近の空の片隅に銀に輝く雲を見つけた
3
あと少し君と一緒にいたいからわざわざ歩く
遠回りの道
(
クリティカルパス
)
4
金曜の6時間目は上の空貴女に会いたい小さなこの
孤悲
(
こい
)
13
梅雨の午后古文の授業は教科書が海月の骨の御扇になる
8
ニュースには茶を摘む人ら
新緑
(
グリーン
)
をこぼさず集め
八十八夜
(
ファーストフラッシュ
)
5
誰も居ぬ茶畑にも日燦々と降り注ぐ昼八十八夜
7
桜散る一ひら二ひら舞い上がり枝、木、道、風、僕をピンクに
8
目の前の君が見えないほどに散る桜並木を並んで歩く
7
出来るなら奪いたかった東京へ旅立つ君の学割切符を
7
来年度使う重たい教科書の知識こぼさぬよう持ち帰る
18
桜の樹枝の先から色づいていつかの君の指先みたいに
13
沓の音、身体
投
(
う
)
つ音高らかに祈りは響く達陀の夜
8
白の梅かほりかすかに咲き誇る天満宮へ飛ばんとばかりに
15
うたた寝にもう会えぬ人現れて泪が軌跡を頬に図示する
23
独法師
(
ひとりぼっち
)
グレープフルーツ色の空風は飯の匂いの街角
14
単語帳、ノートを見返す隣の子平和な戦士は入試へ向かう
8
二年前の僕もここへ立っていた入試の朝の三番ホームに
8
雪とけてできた大きな水たまり映る私と鳥と春風
23
簿記検定対策をする君からはカタカタカタカタ電卓の音
3
公式の海や古文の山々に彷徨いながらの期末考査
7
通学の無人の駅のベンチ脇誰かの作った雪だるま独り
8
ドスドスと屋根より落つる雪の音一歩一歩の春の足音
13
降り積もる搔きても搔きても消えぬ雪まだまだ春は遠いんだなぁ
3
暦では明日からはもう春なのに拒むがごとく
J
P
C
Z
(
日本海寒帯気団収束帯
)
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