沢海 嵐川
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新潟の大学生 拙い歌があなたに届きますよう

枝先の蕾は皆にジロジロと 覗かれ 照れて赤が差す頃
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僕以外抜けた高2のクラスLINE 二度と既読が付かぬ吹き出し
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花会式 十種の造花はなが咲き誇る 心の春もきっと、もうすぐ
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旅立ちに大さじ1の祝福と小さじ1の淋しさを添えます
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見下ろした夜景の粒のそれぞれが いろんな形の生きる営み
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別れ行く人々がいる 今宵だけ流す涙を許してください
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「ヤバい」とか「エモい」で括る感情に名を付けたがるヒトだっている
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もう一度ふらりとあの人に会いたい 叶わないかな春の彼岸に
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駅前でたまたま君と会えただけ ただそれだけで僕は幸せ
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一つでもあなたと多く夢を見たい たとえ多くは叶わなくても
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ふんわりと湯気の向こうの午后の陽を甘く香らすシナモンの枝
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点描に光が湾を浮かばせる 港を抱いた汽笛のこだま
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他所よそ行きをクレンジングでほどく君 一人の女性ひとが少女にもどる
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変わらない二服目小さくむせる癖 切なく甘い缶ピの香り
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永遠に変わらぬ想い贈ります 僕の想いが化石になるまで
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悲しみは変わらなかった13年 今日もあなたへ祈っています
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桜より一足早くサクラサケ 合格前線 昇れ君まで
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図書館は無知蒙昧な僕のため 今日も謙虚であれと教える
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あの人やこの人達〜国際女性デーに捧ぐ〜が大切に想う誰かを想ってみよう
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蜃気楼 鍋の中へと映し出すハマグリと見る春の幻
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太宰府にあるじを想う梅があり 今年も春を忘れずに咲く
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ささやかに泣いていつかを誓い合う一期一会に去りゆく人々
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おたいまつ往く路々を照らすよう 火の粉散るたび春は近づく
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休日を終わらせたくないこんな夜も 車窓に流れる人の「日常」
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雪の舞う寒の戻りに囲む鍋 おろしガネにも降るみぞれ雪
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花束を抱えて歩む あの子らにはなを咲かせる風を吹かせて
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閏日よ次会うときは今よりも 少し優しくなっているから
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いつもなら今日が二月の最終日 得したような閏一日
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「特別」なあなたを「いつも」のあなたへと 変えゆくものを「あい」と呼びたい
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夜道なら誰もが主役スター僕でさえ 優しく照らしてくる十七夜
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