カミハリコ
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海よりも空よりもまばゆい蒼に縋る指先から溶けてゆく
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こんなにも降り注ぐ雨の中ならいちばんの嘘をつけるだろう
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もういちど出会いから繰り返そうか欠けゆく月を目印にして
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指先に灯す赤よりあつい舌 わたしの胸を過ぎる彗星
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路地裏の匂いを思い出す幸運 向こう側にはいつでも行ける
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真っ黒な傘を差そうよ正しさと光しかない世界の中で
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眠るのに時間がかかるこんな日はちいさい靴の足音がする
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止まり木をひとつ失くしたくらいでこんなに指が震えてしまう
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遺書だって数をこなせば鼻歌を歌いながらでも書き上げられる
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臆病なきみが残したこの傷が治らないよう手当てはしない
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この足で歩んだ果てにあるものが十三階段だったとしても
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足裏に触れるアスファルトの温度 ようやく訪れる夏の終わり
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あたらしい道を選んで繋ぐ手でキリトリ線は見えなくなった
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夏尽きて舌と頭が馬鹿だから海も涙もおんなじ味だ
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寝転んで見上げる君の顎裏にほくろがみっつ夏の三角
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だれひとり傷付かなくなった街で線香花火の火は落ちない
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夏の終わりに捨てようかこの胸とピアスホールを埋まる思い出
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途切れ途切れトロイメライが流れるピアノ きみと燃えたはずなのに
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かぜとおしのよいあたまになりました(わすれないでね)(わすれたく な い)
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『やむを得ず星を捨てる場合はしっかりと分別をしてください』
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もうずっと壊れたままのラジオから流れる波のゆくさきは月
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あんなにも追いかけていた神の名をもう忘れてしまったのでしょう
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張り付いた舌はもう仕事をしない 雨であらった罪の足跡
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右耳の後ろに隠れたこのほくろわたし以外に誰が知ってる?
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「来週の誕生日は何が欲しい?」「天国までの片道切符」
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夕焼けがこわいと泣いたあの夏の乾いていない絵の具のにおい
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硝子戸を震わす雷鳴 その前に空を切り裂く光を見たか
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真夜中のなまぬるい水あなたにもきっとあるはずだった生傷
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眠りから覚める直前の隙間に潜む消えたはずの恋心
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もうこんな夢はわすれたほうがいい 魔女のまつげが喉に噛み付く
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