Utakata
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カミハリコ
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君が吐く綺麗な嘘に刻まれて僕はこの星で死ぬことにする
10
あなたは夜の声にだけその耳をすましている 作り物なのに
4
約束をするたび切り落としてたらとうとう最後の薬指まで
5
黒い紙に黒で書いた告白はほどけて真白い蝶になった
4
臆病なライオンが泣く嘘つきの魔法使いはもういないのに
6
一生に一度くらいはひとつだけだれかに傷を遺してみたい
5
諦めたようなその目がいやだった 波打ち際で弾ける記憶
4
観覧車が止まる瞬間なんてない 見えないものはないのと同じ
4
あの日から何年経っても僕たちはふたりじゃなくてひとりとひとり
7
大切なひとの大切なものを大切にすることさえできない
5
左手に繋がっている思い出が右目から流れ出す三月
4
潜れないジャングルジムがお前の子供時代はおわったと鳴く
6
心中の生まれ変わりの僕たちはサーモスタットが壊れている
5
心臓がないくせに胸を押さえてそんな顔までするアンドロイド
5
振り上げた手首の青さだけずっと忘れられないままでいる春
4
思い出に手を伸ばしながら一歩ずつ後ずさるような人生でした
3
なにもないひとに与えたなにもかも 真夜中に呼ぶただひとつの名
6
今ここに足りないものはなにもない見えないものもなにひとつない
5
この世でいちばん悪役に向いてないひとが始めてしまった悲劇
3
ここからは夜の領域 まぼろしもあらゆる全てが手の中にある
5
ぱらぱらと降る雨にはらはらと散る花 残るのはばらばらのきみ
4
卒業日ピースサインのまんなかに剃刀はさんだ笑顔でバイバイ
2
明け方に生まれ変われるのは君か僕かどちらかひとりだけだよ
3
剃刀を縦に引けても告白のひとつもままならない腰抜け
3
埋めちゃえばいいよあなたへ伸びる手も過去から呼びかけてくる声も
3
叫びたくなる夜のためあらかじめフォークで月を抉っておいて
7
返しそびれた文庫本のページに込めた吐息は夜にほどける
2
あたたかいやわらかいやさしいものはみんなこわくてみんないとしい
5
絡まった糸をほどいて繋ぎ合う 心はいつだってここにある
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墨色の切り取り線が浮かぶ月 あなたを殺す謎になりたい
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