カミハリコ
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この星でやさしい嘘に包まれて一緒にいこう花いちもんめ
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歌えなくなったあの日の血の味がいつまでもいつまでも消えない
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水底に沈めた君が何度も手招きするから夏は嫌いだ
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約束がこんなに怖くなったのはどう考えてもあなたのせいだ
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あたたかい羊を数えるつかまえる眠れないまま朝をむかえる
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傷ついて立ち上がれなくなったって最後に愛で救われたくない
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チョコレートシロップなしで飲み込んだ薬の苦さを忘れる熱さ
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きみが書く『脱』っていう字は逃げ出して月へ駆け込む兎みたいだ
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この夜を溶かしたインク詰め込んで手紙を書くよ彼岸の君へ
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煙草からゆっくりゆっくり降り積もる傷跡 ばかり増やす約束
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いつかいつかと繰り返す約束を君は紫煙に紛れ込ませる
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ひとりでは出来やしないねシガーキス「また今度」って笑ってたのに
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背に置いたてのひらにさえ気付かないあなたの闇の深さをはかる
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その舌が頸動脈を辿るのは一体何の予行練習?
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掴もうとしても指から抜け落ちる風の名前を追いかけている
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すれ違いざまにあなたの手を取ってきらきら星の音が狂った
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干からびてゆく紫陽花に似た恋もすべては夏に食い尽くされる
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チョコミントアイスは夏の正義だし歯磨き粉とか言ったら殺す
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心臓をつかむてのひらをたどれば幽霊の名前を思い出す
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見たことがないものは存在しないと笑っているしあわせな人
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『すずしい』と揺れるくちびるもしかして『くるしい』って叫びたがってる?
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もう燃やし終わったから大丈夫ですあなたへの手紙も恋心も
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安全な場所から眺める地獄は楽しいですか?他人事ですか?
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いつだって微笑んでいるうしろから過去をひきずる音だけがする
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さみしさが実体を持つならきっとあなたの形をしているだろう
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こわいものになればこわくなくなるとあなたはおしえてくれようとした
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撫でられて輪郭を取り戻す夜 わたしの声を聞いてくれるか
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思い出す夏で火傷をしないようずっととなりで名前を呼んで
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年月を経てもぬかるむ思い出に生身の頭はどんどん狂う
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2本目の煙草はいつだって苦い マイルドセブンが墓前で朽ちる
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