Utakata
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カミハリコ
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振り上げた手首の青さだけずっと忘れられないままでいる春
4
思い出に手を伸ばしながら一歩ずつ後ずさるような人生でした
4
なにもないひとに与えたなにもかも 真夜中に呼ぶただひとつの名
6
今ここに足りないものはなにもない見えないものもなにひとつない
5
この世でいちばん悪役に向いてないひとが始めてしまった悲劇
4
ここからは夜の領域 まぼろしもあらゆる全てが手の中にある
6
ぱらぱらと降る雨にはらはらと散る花 残るのはばらばらのきみ
4
卒業日ピースサインのまんなかに剃刀はさんだ笑顔でバイバイ
2
明け方に生まれ変われるのは君か僕かどちらかひとりだけだよ
3
剃刀を縦に引けても告白のひとつもままならない腰抜け
4
埋めちゃえばいいよあなたへ伸びる手も過去から呼びかけてくる声も
4
叫びたくなる夜のためあらかじめフォークで月を抉っておいて
7
返しそびれた文庫本のページに込めた吐息は夜にほどける
2
あたたかいやわらかいやさしいものはみんなこわくてみんないとしい
6
絡まった糸をほどいて繋ぎ合う 心はいつだってここにある
8
墨色の切り取り線が浮かぶ月 あなたを殺す謎になりたい
7
てのひらの熱さを知らないまま離す 約束だけを道標にして
6
わからないものをわからないとわかるためにさあ歌を聴かせてくれ
2
すぐ冷める恋ばかりしてきたせいで火傷するまで気付けなかった
9
昨日よりおおきくみえる月の裏 すこし青ざめているのは何故
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永久歯くらいに深く食い込んでいたいしたまには苦しめたい
3
淋しいも悲しいももう思い出せないってそんな顔で笑うの
3
運命の糸を切るため買うハサミ切れ味試す指が足りない
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片手間に済ませた祈りで十分だ 終わりはいつもあなたが決める
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どうしよう吐き出し時がわからない愚痴愚痴弱音呪詛呪詛怨嗟
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噛み付きたい舌が痛いかみつきたいしたがいたい従いたい
2
はらぺこの君にこの指差し出そうお口に合わなかったらごめん
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一口で噛み切れそうな中指に心臓を指され死にそうになる
3
受け止めるためにひろげた両腕を撃ち抜くための標的とする
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指先でふれるふるえるひとりではたどりつけない世界の果てに
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