Utakata
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カミハリコ
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『将来の夢はひとつもありません』四百字のマス目に詰め込む
4
青白い息を掬っていつまでも日が昇らない夜を遊ぼう
3
目も口も耳もすべてを閉じたまま信じたままでいればよかった
5
抱きしめてあげるし涙も拭ってあげるからはやく腕を返して
3
オブラートが分厚すぎたからあなたの犬歯に触れないままだった
4
朝の星/昼の逃げ水/夜の雨/かかとに噛み付く過去の亡霊
5
足裏でうごめく思い出たちがまた心臓をひっくり返してゆく
2
何度でも地球まるごと抱きしめるあなたを誰が抱いてくれるの
4
屋上や渡り廊下や体育館裏を知らずに過ぎた青春
5
夢にまで見た最後の日ひとつずつ指をほどいて嘘をほどいて
6
適切に処方されたお薬を不適切に噛み砕いて寝る
5
最期までなんてきれいな意志だろう涙の代わりに流す鮮血
3
凶暴な朝が来るまでの逢瀬で息継ぎなしに交わすくちづけ
3
枯れていくだけの約束をくりかえしくりかえしそれだけで生きている
3
明日の夜には怪獣になるからあなたの温度と今日でさよなら
3
一度だけ君と話した放課後の話題は確かマリリン・マンソン
3
月に腰掛ける魔女との約束で一寸先の赤色を跳ぶ
2
誰にでも腕を広げるあのひとは見送る側に慣れすぎている
6
無造作にあなたが触れたこの皮膚も脱ぎ捨てる日がいつか来るだろう
6
青空を拒絶しているつもりなの?ゆれるカーテン波打つ孤独
2
あのひとを好きなあなたを好きでいる不変の痛みはわたしだけのもの
4
夜明けにも夕焼けにも似ていないその瞳はただひとつの光
3
爪先がさらうひとかけらの星ではじまる夜のブルーブラック
5
閉じ込めておいた思い出が顔を出すどうやら血が足りなかったようだ
2
知ってるよ何年生きてきてもただ丸呑みするしかないこともある
12
薄目を開けて見るくらいがわたくしにはちょうど良いのであります
4
残り火のお手本みたいな感情でまっくろに焼き尽くす心臓
3
このからだ鐘の音ひとつ響くたび消えていけたら良かったのにね
5
あのひとが僕に与えた傷口の同じ深さと角度で呪う
7
置き去りにされた感情 軒並みに枯れた感傷 割れた残響
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