Utakata
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赤月 宙
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完璧にできないときの言い訳として放たれる“完璧主義者”
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この歌がいつか月まで届くよう いつか貴方の心を撃つまで
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ラジカセですら捨てるのに金が要る ならば僕は と宙を舞う脚
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若さなど足枷でしかなかったな ガラスの靴も痛いだけだし
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いますぐに君が笑ってくれるなら ぼくは醜い人魚姫でいい
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あの人のように優しくないんだ と 苦しむきみもじゅうぶん優しい
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生きるのがつらいか「つらい」 この声が代替品と知った時から
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痛みさえ知らない僕は幼くも恋しか知らないだけなのだろう
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美しいきみの姿に憧れる ぼくの身体のひどい醜さ
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この爪を牡丹の色に染め上げて貴方の首を落としてやりたい
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にせもの。と 断罪するにはあまりにも容易いことだ きみのやさしさ
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悲しみが心の弦をはじくたび 新たな音が歌いはじめる
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憐れみを下さい 夜が明けたって 僕にはなんにもないんですから
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なんどきも ただやわらかくわらってる 君の心のおそろしいこと。
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何度でも光をのぞんでかなわずに からまる闇に引きずられてく
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あんなにもきれいなきもちに満たされる だからあなたを好きでいたい。
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マゼンタの花びらが風を撫でていて あのひとは今も元気だろうか
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もういちど 歌わせてくれ、あの夏の貴方を嘘にしないためにも
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レオパード柄の羽織をなびかせて 少しは速くなったきがする
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横顔を見つめていたい だから君はずっとあの子を見つめていてね
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鐘の音はすべてを変えてはくれなくて 零時で止まったまんまの時計
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祖父宅の土間に嵌まった磨りガラスだけにほんとの雪が降ってる
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泣いている こどもの口を塞いでも ただ溢れでる僕の涙は
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流血に気付かないまま生きている きみに聴かせるためだけの唄
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しあわせははかなくすぐにこわれる、と彼女は 齢5歳で知った
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「あの日から僕の世界はあなたしかいなかったんだ」 過去形だった
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どうしてもきみに会いたい 右巻きのポニテの毛先がそっと揺れてる
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悪魔らがこぞって僕を否定する 「お前は違う」 戻れ、戻れ と
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手に入れたポストカードがすぐにでも君に会いたがっているもので
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(夏ですね) そのひと言が言えなくて (きみは海には行けていますか)
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