赤月 宙
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ラキストの音と煙が邪魔をして 君の匂いがちっともわからん
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音楽が孤独な心を救うって知っているから、きみはいつでも、
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あの人の煙草の匂い、とふと気付き にわかに胸が煙たくなるなど
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君のその優しさで胸が痛むのでぼくはどうやら傷ついている
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「歌えない」煙草の匂いに気付かされ ぼくの言葉は滅びはじめる
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君のことをわからないって、思うのが悲しいだけだ ただそれだけだ
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僕などに傷つけられる貴方ではあってほしくはなかったけれど
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産声をあげて紅くひかりだす 夜明けに咲いた山の鉄塔
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完璧にできないときの言い訳として放たれる“完璧主義者”
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この歌がいつか月まで届くよう いつか貴方の心を撃つまで
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ラジカセですら捨てるのに金が要る ならば僕は と宙を舞う脚
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若さなど足枷でしかなかったな ガラスの靴も痛いだけだし
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いますぐに君が笑ってくれるなら ぼくは醜い人魚姫でいい
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あの人のように優しくないんだ と 苦しむきみもじゅうぶん優しい
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生きるのがつらいか「つらい」 この声が代替品と知った時から
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痛みさえ知らない僕は幼くも恋しか知らないだけなのだろう
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美しいきみの姿に憧れる ぼくの身体のひどい醜さ
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この爪を牡丹の色に染め上げて貴方の首を落としてやりたい
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にせもの。と 断罪するにはあまりにも容易いことだ きみのやさしさ
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悲しみが心の弦をはじくたび 新たな音が歌いはじめる
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憐れみを下さい 夜が明けたって 僕にはなんにもないんですから
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なんどきも ただやわらかくわらってる 君の心のおそろしいこと。
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何度でも光をのぞんでかなわずに からまる闇に引きずられてく
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あんなにもきれいなきもちに満たされる だからあなたを好きでいたい。
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マゼンタの花びらが風を撫でていて あのひとは今も元気だろうか
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もういちど 歌わせてくれ、あの夏の貴方を嘘にしないためにも
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レオパード柄の羽織をなびかせて 少しは速くなったきがする
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横顔を見つめていたい だから君はずっとあの子を見つめていてね
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鐘の音はすべてを変えてはくれなくて 零時で止まったまんまの時計
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祖父宅の土間に嵌まった磨りガラスだけにほんとの雪が降ってる
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