灯屋
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学びの旅から帰ったら皆さんまた灯屋を迎えてくれる?

雪少し積もってきたねでもごめん 昔みたくはもうはしゃがない
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下顎骨のみよく動く彼女らの気配感じて湿度が上がる
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もし尻に犬の尻尾があったなら僕の機嫌はバレバレなんだな
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あたたかい繭の中なら眠れるか 花の咲く頃逢えるか友よ
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この次のバザールへ行く機会にはマンゴーを買って臆病を売る
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悪報を吉報よりも易々と受け入れてしまう我の習性
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幼児期に寄り添った友引き籠り 今もパズルを解いてるだろうか
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カーテンの裂け目から漏る初冬の陽 白い光に刺されて溶ける
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優しさのナイフかざした俺という卑怯な少年壊せ三日月
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中間のテスト終わりし解きかけの問いに身悶う「ワタシノミライハ」
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粉雪の一片舌で溶かしたら柔らかな雲に抱かれる夢想
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朝目覚め窓下の景色眺めれば雪の白さは残酷なほど
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タートルを着た父テールスープ食む 亀と牛とに馳せる夕食
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唇に君の場合はチェリーだろこれから熟れてくつもりなんだろ
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おい雄太たった五度目の失恋で「地球終われ」と 俺困るって
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粉雪よ風に舞って散るならば「風邪ひくなよ」と伝えて欲しい
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白い泡いっしょに僕の切なさも洗い流して 頼むよシャンプー
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こっそりと父の箪笥を開けてみる今年一番緊張の午後
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今の僕天使の一人すぐ呼べるお口いっぱいマロンクレープ
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雪が降り心と身体くしゃみしてゆっくり君を愛し始める
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水彩で重ね塗りするキャンパスは遠近法で僕がぼやける
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「アチアチ」とグラタンをそっと置く母に育てられたんだこんな大事に
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不甲斐なく溢れて落ちる雨眺めこの寂しさの正体探す
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我こそがスーパーヒーローなる者と信じていたよね信じたかったね
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濡れたまま眠った朝の髪だからだから行かない ずる休みじゃない
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夜静か灰色の霧にじり寄る 嗚呼そうか僕 君失った
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「たすけて」と素直に言える時までは明日明後日も笑っているよ
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間違いを消しゴムで消すその間君が遠くに行っちゃう気がして
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知ってるかい?僕らが生きるこの世界 実は全く フルカラーなのさ
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ためらうな右足踏み出せ一歩でいい大丈夫だよ 昨日の俺へ
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