Utakata
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まるや
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日常短歌と創作三国志短歌
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きみの街の歴史もおいしいラーメンも今日の風速も知っているのに
5
雲ばかり撮ってたきみのピリオドに選ばれた花束と白衣たち
3
今週も水曜は曇り両脚を引きずるように子犬のワルツ
7
痛ければおしえてください充電用ケーブルに埋まる右手をあげて
6
しあわせになるために被る灰もある白く砕けたあなたの右手
7
厳正にあえて選んだピカチュウのよりぶさいくな方をあなたに
10
金網のむこうの満月 珍しく夜更かしなきみの目尻は赤く
8
大群の蛇のひかる眼 昨晩のふたりの罪が拡散されてく
4
セキュリティパッチのリリース:ぼくたちは感情演算装置の部品
7
きみが呼ぶ見つめる触れる感じあう不確かなぼくが定義されていく
5
気の長いあなたが去って薄くなる紅茶のいろと土曜日の月
5
終点のまちで育った 靴底を撫でる波だけが確かにあるもの
8
アトラスの軌道をなぞり指先はテーブルを離れゆく また会える
3
きみたちは罪に問われない あたらしい星座のひとつを死と名づけても
5
背伸びしておいしいふりした レジ前で「同じものを」としか言えなくて
6
来週の土曜までは晴れ 初夏のひかりが焦れるふたりを急かして
5
あたらしい家が建ちますぼくたちが埋めた金魚をかみさまにして
12
いますぐにまわってメリーゴーランド沈黙を破る歌をください
8
言ったほうだけが引き摺る あのときと同じ窓際の席を選ぶきみ
9
二年前きみがこぼした墨汁は未完成のまま また夏がくる
5
無いことに慣れていくように心臓は凪いだままだわ すこしだけ歩く
6
持ち物は持ち主に似る誰にでもいい顔をして拐われる傘
15
ゆっくりと決壊はじめる心から押し出されてゆく白鳥の群れ
8
劇伴にステップを踏むゆびさきがきみの膝までオクターブ跳ねる
6
休憩に立つ父が残す暗闇に浮かんだ<PAUSE>がこわかった頃
6
きみからのすべての言葉をかなしみという背表紙のファイルに綴じて
6
劇場の夜が明けていく静寂を裂いてまたひとり産声を上げる
9
わたしたちうまくやれるわ そこらじゅうクリームまみれになったキッチン
8
一度でも夢で逢えたらほんとうの気持ちをおしえて 腕の中のきみ
7
アマプラが教えてくれる昔きみと千円で観た映画の結末
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