但馬吟
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私がいま眠ろうとするこの時に、私を待っている幽霊めざめる
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松代の皆神山をあおぎみれば 遠い夏の日のあなたがひらめく
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一つだけ、一生片手に置くような。そんな歌集を探して尾道
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落葉らくようもいつのまにやら見過ごして だんだん季節ににぶくなるこころ
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教科書や辞典にもないこの「何か」の名前付けたくて春の日をあゆむ
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中央線 あたたかい陽のふりそそぐ車内 ゆられて眠くあくびする
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葉洩れ日をあつめひるがふ紋白蝶のつがひ追ひかむあだし野のみち
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底冷えの街頭の隅に一点の恐ろしき思想 灯りてすぐ消ゆ
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あから曳く朝日ふふめてれるあけびにそを手にとりて笑まむ貴方を見ぬ
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ちいさな家のちいさな庭であなたと植ゑた木通あけび、陽をあつめてつた
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空も海も山もその川もわれをとどめず ひたすら長き道往く
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わたくしと貴方と二人ありて、も一度亡びの過程をいとなむ。
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自分には千年経っても作れない そんな歌をつくるあんたが妬い
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思ふことさはにあれども言ひかねつ 他人ひとの気色を伺ふ卑怯さ
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いつか一つ、他人を殺せる歌を一つ、作って俺は形見に死なむ
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かの月に愁ひしづめたる かの男の愁ひ滲みしてかかる雲なり
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ねぇ、ダーリン? ラヴ・ソングとか歌う頭蓋を砕いてまわる旅にでようよ!
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「夏雲に別れた人を重ねた」とか、くだらない歌ばかり造るものだね
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世のなかを語れるほど大人じゃないけどさ、この怨ましさは一生ものだね
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幼きに歩きし此の町 変はらねば 心若がへり 呼吸すがすがし
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ふるさとの駅舎なつかし 降りゐるに草流れして心も帰れり
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芙蓉ふやう揺れば流るる風に匂ひませ 秋くる君を今に問はなも
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小布施てふ葛飾北斎松尾芭蕉小林一茶のひしわが町
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母の背をいつや追ひ越せるわが背にぞ 母は何想ふ 問ふすべもなき
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亡き母の読み耽りゐし中也詩集 われもこの年ゆそを読み耽る
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『吾輩は猫である』てふ本のペエジにいまだすすまぬしをり褪せてをり
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をさなどち かげおくりして並びたるかたへの影は今はあらずも
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許されてあるこの契り有り難けど 思ふどちして永すぎた春
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わが母の植ゑし木々の花散りぬるに物云はずして百日紅あり
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陽ざかりの窓の向かふの古庭に一日ひとひ物云はずさるすべりある
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