Utakata
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但馬吟
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あから
曳
(
ひ
)
く朝日ふふみて
花櫚
(
かりん
)
なると黄なる実
欲
(
ほ
)
るに妻よびに
往
(
い
)
ぬ
6
わが心いつゆ何ゆゑ凍てにけむ つゆ思ひつかず風ぞ吹きたる
6
紅茶茶碗
(
ティカップ
)
ふたつ並むころあから曳く朝日ふふみて
花櫚
(
かりん
)
は黄なり
6
角障
(
つのさは
)
ふ
石
(
いは
)
に吹きつく風寒み浜が千鳥そしきり鳴くなる
10
劔太刀
(
つるぎたち
)
踏めど踏まねど
訪
(
と
)
はえこそ え伝はなへば我が死ぬましじ
6
公園の白き倉庫のらくがきは「オカマ星人市川参上」
5
流
(
なが
)
し髪ゆひして妹がつくりけむおさげ髪
美
(
は
)
しく朱牡丹の咲く
8
あかねさす
紫繻子
(
ぱあぷるさてん
)
にくるまりて王女の真似をす吾子、父は馬車
8
へいへいと時は過ぎぬるわが家に平安くづすごと郵便来ぬ
5
乳当てのすこし小さくなりぬてふ父には云はず母には云へり
6
吾子
(
あこ
)
ふたりいひつけ
守
(
も
)
りぬ室内で衣服たためり
平安
(
おだやか
)
な春
7
わが妻と
吾子
(
あこ
)
らがわれの健康を思ひやりして酒を呑ませず
9
さ
丹頬
(
につら
)
ふ
娘
(
をとめ
)
がまろき乳さらし乳当て干せるやをら春の日
7
湯あみのち
欄干
(
バルコン
)
出でし
娘子
(
をとめご
)
よ夜に浮かぶるけだもの、白き
8
新しきロウファーこつこつ音たてて女学生、駅ゆ出陣せるよ
8
鳳仙花
己
(
おれ
)
に死ねとし云ふがごと赤く咲きゐる赤く咲きゐる
5
人工の雲よりもまだ天然のガードレールの方が白い朝
6
口語文語交互に一つ二つ
三
(
み
)
つ歌つくりしてなべて破りぬ
7
歌よまむと歩けど何も浮かばなし。雨音聞きても何も浮かばなし。
8
思ふこと歌にせむとし思へども言葉少なきに辞書引き出でつ
5
妻、われの小さき庭にあから
曳
(
ひ
)
く朝日ふふみて
花櫚
(
かりん
)
は黄なり
7
ベル型の桐の花咲く
五月
(
さつき
)
雨に
行潦
(
にはたづみ
)
はじくふたつ靴音
5
ちさき庭に黄なるかりんの実のなると、妻とびだしてジヤムつくりてむ
7
いつからか失くしたものにわが
労
(
いたは
)
る心なきやとポケツトまさぐる
5
あかねさす陽のしたたかな堤にて春負け味の食
麺麭
(
パン
)
食
(
は
)
める
6
ダアリアの
釦
(
ボタン
)
のごとく咲きゐたれ しばし眺めて
倦
(
う
)
める心かな
7
鎌倉や鶴岡なるやしろ
路
(
ぢ
)
を いにしへびとに心馳せつつ
6
芭蕉葉
(
ばせをば
)
の傘下に街灯ながめゐる女、横目にその脇あゆむ
7
一重なるタヲルを巻きて飲み干せし珈琲牛乳 飲めど飽かぬも
7
湯あみせば
仄
(
ほの
)
と匂ひてあから曳く肌を包みしタヲルは白し
7
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