美美庵
88
65
投稿数
1077

最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

宇宙までソーダブルーの哀しみを投下せしほど無為の超克
9
残照をただ見ておりし憐憫の三億分の一の生命
9
人いきれ抜け出し座る並木道緑と鳥の囀(さえず)り愛(いと)し
13
美しきガレージありて素晴らしき2台の車他人(ひと)様の城
11
気ぶせりな客人独り打ち震えこの世の様に困惑しつつ
7
音たてず檸檬(れもん)の砂が落ち行くに似たりと思う娑婆の明け暮れ
10
中途まで我慢を重ね興趣尽き匙投げざるを得ない本嫌い
8
鮮やかに消される幕を待ち設け少女は秋の向こうへ馳せる
9
喚声も歎声も絶え煙雨降り無人で回る回転木馬
11
上からの力がそこは働くとキミは清流天使でいなさい
8
いつかまたどこかも知れぬ異世界で私があなたかも知れないわ
7
二年間仮りの寿命を定めても風の輪舞(ワルツ)で人間(ひと)を凝視(みつ)めて()
8
角打ちに行ってこの世のお勉強称して優し酒豪の彼女
9
新しき家も変わらず彼(か)の不在朽ちてもやはり秋は訪れ
7
進化論創造論と講演すキミの幼き日々に微笑み
7
この世界私と二人重なるも間隙ありて靡(なぶ)くもの無し
7
歔欷(きょき)混じる飲食ほどに人の世の哀れ愛しさ感じる場無し
8
近在の自家ギャラリーの奥様の微笑の余韻秋空に融(と)け
9
経験の穢(けが)れが吾子(あこ)を回避する分娩室の永遠(とわ)の誓約
8
昼休み職場仲間を離れ来て金木犀を見初(そ)む彼女(ひと)あり
16
意味を捨て問いを捨てたら過去も捨て時間捨てれば身軽になりし
13
懸命にペンを動かす老爺見てふと可笑しみが込み上げ来たり
8
死なせない力よ淡く透き通り虹は要らぬとお前は告げる
8
作者など実はなくって人生は知らぬまに成る不思議シナリオ
8
かおりちゃん何をしてたのいいけれど既読がついて安心しちゃう
8
厳(おごそ)かな無垢に打たれて傍らに腰をかけても構いませんか
9
絵にならぬ生を醜く渡りおる私を棄てることを始めよ
10
哀憐(あいれん)を背負える者が密やかに人と物との砂漠潤(うるお)す
8
美しく哀しいものは空回り自由は憐憫道化者
5
遅参した私にキミの隣席のみが空いていた神在りし時代(とき)
7