美美庵
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最近、ある方の影響で、三十数年ぶりに、
詠みはじめてみました。
拙く、荒削りなものばかりですが、
一日一首を目標に頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。

葬儀社のワゴンに辞儀し見送りぬ母の八十九年 幕おろす
18
深更の医院の廊下滑走すストレッチャーと揺れる母の足指
19
カフェはもう詩人ボヘミア項垂うなだれて憂うつ記す場所には非ず
12
ただ此処に端座しおるに世の人の困惑するを途方に暮れて
10
フェアリーな円周描くてっぺんでボクら逝けずに仰ぐもの有り
6
四方よもれて今も独り居かしこまり世界と人間ひとに融和したかい
13
八歳で稀少のキミは喜々として世に処せぬ我が業見抜きし
12
天使とはまた勇者でもある故に苺タルトの銃を携え
13
駈け抜けたこの世の不思議懐かしむ確かなちぎ目前めまえに在りて
12
嘆願も慚愧ざんきも要らずそのままのキミを抱き寄せ光へぶよ
8
アスターの小鉢をこの捉えては意味根拠無く贖う日有り
10
情報とものと自由の牢獄が侵食尽くす人間ひとの尊さ
8
スタバにて突っ伏して寝ていつまでも動かぬ彼女心配なりし
8
ここに座す月はやっぱり現れてヒイラギナンテン秋の讃美歌
13
うるわしき虫の音色ねいろの傍らで遠い貴女あなたと同じ月観る
11
死を賭して護るもの有り死を超えて護られているもの常に有り
13
極上の45分提供と整骨院の貼り紙見る夜
14
松の葉の揺らぎがササと覆うごといらかの並び子らに見えおり
8
酷暑の夕群衆の一人となりてすべての祖先胸で呼び掛け
7
ついえてもこの深更に何人なんびとか救済叫ぶ気配ありなん
8
寂しさがそこにあるだけ太陽と星と月とがあるに等しく
14
行儀よく姿勢正して買った本吟味するようめくりおるあり
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オレンジの水平線のさざめきを死のなかでだけ見惚れる規約
13
前後見ず光と影は無きものに白猫はくびょうとして今日を横切る
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始めなき時からボクはあの世からこの苦海をば眺めおりたり
7
涼しい眼看取られますか?問うを機に巨大な鎌の降りきた師走
7
生はもう眼も当てられぬ様でした隠棲ぐらい 絵になりたいわ
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駱駝らくだの眼ボクを視ていた夢暗示眠り赦さぬあかい砂漠で
11
含羞に生死を賭した人ありき明朗の渦 恥じて歩めり
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愛ならば計らうなかれ自ずから発するものが真の愛なり
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