斗月
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275

ゆるゆるひっそりと
初心者/字余り常習犯/形になったらとりあえずupしていく方針
日記代わりの短歌や眠れない夜に詠んだ短歌、オタク短歌、創作シチュ短歌、他

過集中と手を取り合って踊る日は 疲れて微睡む夢ばかり見る
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朝焼けの光を浴びて毛の先を 金色に焦がす柴犬のワルツ
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真夜中の土砂降りが好きだ 何もかも洗い流して無かった事に
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この駅はこんなに複雑だったっけ? 素人喰らう迷宮と化して
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無愛想だねと言われるのに何故か やたらと人に道を聞かれる
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空っぽの花瓶だけある早いとこ 春を見つけて挿しにいかねば
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枝にあるうちは花でも落つ先で 踏まれて地面の模様になって
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沈みゆくXという名の泥舟で 青空に飛んだ人の手を見る
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花筏 墜ちた羽虫を引き連れて 海を目指そう水葬の旅路
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夢でだけ会える貴方は誰ですか 名前も知らない親しげな笑み
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点鼻薬 慣れない味に顔しかめ これも一応 春の味覚か
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優劣をつけられ社会に出荷され 人も果実かじつもさほど変わらず
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花になれば日ごと感じる苦しさも 酸素に変えて吐き出せるだろうか
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悲しみを乗り越えた先にあるものが 推しの死ならば世界よ滅びろ
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推しの名を一字一句 噛み締めて 出てくる言葉は「尊いの極み」
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死に際に輝く命もあるだろう 私の推しはそうじゃなかった
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桜ってもっとピンクな気がしてた 陽の下で知る無加工の色を
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虚無きたる開いたページのその跡に 確かにあった記憶に無くとも
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静寂しじま 刺す冷たい夜の真ん中に 液晶越しの“愛”を見ている
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欠けたとて まま在る様が美しく 傷を誉れよ凛と立つ推し
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クズでも良いバカでもダメでも何でも良い 憎まれたとて世にはばかれば
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増える推し 上がる死亡率 年々と 片手を越えて数えるのを止めた
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眩しくも燦々輝く魂は 万物照らす日輪の如し
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狂おしいあなたに向けた感情を 言葉に出来ずにただ推しと呼ぶ
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サヨナラを重ねるだけの人生に 推しの名前を刻み続ける
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推しのこと何も知らないんだ おかしいね 死に様だけは知っているのに
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華やいだバースデーケーキに憧れて 「命日おめでとう」一吹きの煙
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指を折り推しの齢を数えては 蝋燭を灯す「生きていればね」
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あの推しも星になったと言えたなら 白い欠片はあの子じゃないと
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柔らかな笑みを浮かべたその顔を 見ていたかった遺影じゃなければ
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