七つ八つ九つ十
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いつ何処で、なんてはっきり分からない いつの間にか惹かれていたから
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待ち伏せてツリガネソウの昼下がり 蝶よ惑わず舞えそのままに
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退屈な無声映画のスクリーン 惰性のままに時は流れる
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げんげつ幻月や 闇を照らして 明けの石 紫陽花咲けば 青に染まりし
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お互いに雑な扱い許す友 縁は切れぬよ私が切らん
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ご飯だよー早くお風呂に入ってね 母の演技は九時でおしまい
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服のまま ドボンと風呂に 入れたら 楽になるかな 脱ぐのがだるい
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ヘアオイル ウキウキとつけ登校す 何がなんでもモテたいか次男
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深々と頭を下げてその人は 父の遺影をじっと見つめる
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死ぬのかと父の問う声 耳残る 嘘をつけない子に育てし父
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さそり座がオリオン追いし夏の夜 赤き体よ夜空を照らせ
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親の留守 兄弟二人の晩餐は 自由と冒険シンクに残る
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適当に何か作って食べなさい 出来たおかずを見るも楽しき
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つまらない 一日終わり 二人きり 今日もおつかれ グラス合わせる
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Googleのフォトが昨年を伝えてる 亡き叔父がまだ歌っている今日
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子育てをやめたい時は何度でも けれど楽しき君との日々よ
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ペアづくり女子に指名はされるのに 友達止まりの君ぞ悲しき
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顔じゅうに アイスクリーム ついている もう、と拭いた日 今懐かしき
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ヘソ天でワン!とお空をかき混ぜる どこを駆けるか夢の中の犬
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試験終え部活を終えて帰宅する 撫でたい頭はもう手が届かぬ
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銀色の冬の空気を身にまとい ネッスンドルマの歌よ夜空に
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四人掛け 座れた時は 一瞬で 今は父子が 重なるソファ
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線分を自由に動く点Pよ お前はいいなぁどこでも行けて
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メンタルが低下していく水曜日 海の底まで沈めこころよ
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大き目のため息ひとつ 吐き出して もう無気力な犬になりたい
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雲あつく空を覆えどその上に 星があるよと君の戯言
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何ひとつ 心動かぬ こんな夜 コーヒーでもなくビールでもなく
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いつからか淡くて薄い日常は ぼんやりとした無花果のよう
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立ち止まり振り向きつつも前を見る 君に似合いしブルートパーズ
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なにひとつ終わらない一日が 今日も終わろうとしている
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