水中都
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最近体調不良でいいねお返しできていません。ごめんなさい。

顧みてさいごにふれた人の手は冷たくなった母の手でした
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不意の熱 触れしいのちの萌ゆる火に慄けるわれ われも惑ひて
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玉肌のしろのうろこのさむざむと触れ得ざる身に雨の降るなり
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かのひとを想ふよすがの曼殊沙華 時の埋火うずみひ 葬頭河そうずか
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沓脱くつぬぎに伏しつ午睡ひるねの初秋猫 秋津と揚羽 風の通ひ
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夢にみし父は慮りに耐へて猶 発つ吾の背に刻む眼差し
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夢にみし母は吾の手離さじと 握るちからぞ胸貫ける
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朽つ蝉に蟻ぞ集ける庭の隅 今朝は木の芽の生ひくるを見つ
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紫に朱の差し色や宵化粧 峰みねを染め月を待つらむ
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サイクロン掃除機の塵 どっしりと 不動如山ふどうにょざんに蒸し暑さ知る
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この汗もけだし息災なればこそ かわや磨きの長月の朝
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雨音ヶ夜あまねがよ ひとも絶へなむ水鏡 今も昔も夢もうつつも
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見えねども 秋津あきつゆららにかろやかに 風の季節のおとなひを告ぐ
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知天命 人生初の四十度 同居の蜘蛛にぼやく午後二時
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処暑かいな 言われてみれば朝晩の風はしょうしょう涼しくはあり
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くまぜみにすだく小蟻のなりわいを 黙し みまもり向日葵は立つ
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ラジオからひかるいのちの甲子園 澄みてはるけきそらにひぐらし
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おとなへる人の語らひ蝉しぐれ 盆の軒端のきはにかげはあらねど
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朝ぼらけ人もまばらの墓掃除 秋はさえずる雨と風とに
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閉づまなこ 思ひ出画廊 蝉のこゑ しきいのかなた 白き昔日せきじつ
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ゆうなずみ 柘植にやすめるしじみ蝶 秋思う風 羽根にそよそよ
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山のに夕陽を抱く雲入道くもにゅうどう ランタンいろのものかなしさに
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ごみ出しの朝に覚悟の蝉しぐれ 聞こえよがしに大暑大暑と
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人の世の夏の早さに間に合わずようやく今朝の蝉しぐれかな
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人の世に引き比べ恥づ わかを護るごとくにすだく落葉らくよう
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狐狸妖怪 ゆうれいまでも近年は 暑さを避けて家に居るらん
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枝揺らす風見て歓喜 出てみれば 蒸したタオルで顔覆う如
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瀝青を割りて出づ草 往きみどり 帰りの道に見ればきいろに
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体温を越える午後二時歩くのは 痩せた猫 蟻 わが他に無し
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ひさびさにあう屋敷蜘蛛やしきくもふくよかに 「ごくろうさま」と声かける朝
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