Utakata
登録
Login
サイトのご案内
彩雲2
フォロー
0
フォロワー
2
投稿数
211
« 最初
‹ 前
…
2
3
4
5
6
7
8
次 ›
最後 »
借景は丸窓覗く月の貌 夜更くるごとに傾く光(かげ)よ
3
はんなりと涼しき眸(ひとみ)花桔梗 浴衣の襟に風の吹き抜く
9
鈴虫の潜む聴力検査室 鳴らぬボタンを握りしめをり
7
歳月や人待ち顔の知らんふり グラスの氷溶けてゆくだけ
5
鴨渡る空の彩雲ひき連れて 時を超へたる絵巻のごとし
6
鶺鴒が渚に残す表意文字 尾をふりながら読み解くがごと
6
あぢさゐや青の時代のピカソ展 生きる痛みを青に混ぜつつ
4
カンヴァスの中のコスモス風を恋ひ 筆の跡にぞ今も揺れつつ
7
女郎蜘蛛ひかりの領土編みあげて露のダイヤをちりばめて待つ
13
赤とんぼ翅の震えで風をよみ ひと時止まる人差し指に
8
風鈴はひかりの粒子風に変へ 部屋の障子にゆらぐ夏影
7
珈琲の香る置屋の夕化粧 うなじの白き闇に浮きたつ
6
至簡の美かな文字うれし落し文 指でなぞれば鼓動高鳴る
6
小町草むらさきしきぶ名もゆかし 庭にしなだる秋の夕暮れ
7
仏塔の相輪かすめ秋つばめ 甍の波を遠く見下ろす
8
宵闇へ絹の糸裂く不如帰 ひと鳴き残し闇に溶けゆく
7
聴きにゆく添水の木霊詩仙堂 浮世のちりを忘るる心地
6
身の丈で暮らす晩年蟬しぐれ 過ぎにし日々を遠く愛しむ
7
秋ともし大和坐りの観世音 注ぐ光の淡き優しさ
8
振り向かぬ妣の背中や茄子の牛 呼び止むる声届かざるまま
7
人生の老いの重荷を断ち切るは まこと切なき仕事なりけむ
7
コスモスを風あるように活けし人 衣擦れかすか秋を奏づる
9
直せざる墨のひずみも愛おしき 日々に息づく山水画
5
かんばせが嘴と化す燕の子 命のすべて開きて待てり
6
彼岸花一朶のあぜの予約席 来ぬ人おもふ秋の夕暮れ
17
帰還せず掩体壕(えんたいごう)の秋ほたる 月日も遠く草は茂りて
10
二の腕に触れゆく気配夜の秋 グラスの雫指で拭ひぬ
6
送り火を水面に灯す古都の夜 あまたの揺らぎ銀河のごとし
13
黒揚羽水を一拍打って起(た)つ 真夏の影を水面に残し
6
流星の欠片を抱きて網代島 寄せては返す波のさざめき
6
« 最初
‹ 前
…
2
3
4
5
6
7
8
次 ›
最後 »