Utakata
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彩雲2
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セラヴィとふ言葉身にしむ秋の暮 赤き落日空の彼方に
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若き日の己が姿を探せども 祭り囃子の後ろ影のみ
6
燭の灯が消ゆ四日目の大賀蓮 息をひそめて見届けにけり
4
蛍烏賊海の発光ダイオード 青く静かに夜を染めゆく
6
翳りゆく季節に急ぐ百日紅 散り際みする夕暮れの風
6
墓碑銘に触れて確かむ霧の指 涙にかはり石を濡らして
5
若冲の絵より脱け出す鶏頭よ 絵師の狂気を宿して歩む
11
埴輪の眸(め)濡らす夜霧や百舌古墳(もずこふん) 星のあかりの滲む寂しさ
4
しがみつく執着あはれ蟬の殻 空(くう)の重さに身を震はせて
5
銀河濃し小瓶に眠る星の砂 波の音さえ閉じ込めしまま
5
徒に過ぎく刻の虚しさに ひとり見上ぐる秋の夜の月
5
「遅くない」齢七十みそさざゐ 地図なき空へ羽を広げて
4
波しぶき浴びて咆哮(ほうこう)ゴジラ岩 珠洲の岬に立ちて崩れず
5
火渡りの読経の響き野路の秋 素足に熱き平穏を乞ふ
4
音もなくヒラリと舞ひし落し文 文字なき文字に隠すさよなら
3
陽炎をタップダンスの靴で踏みタタタと響く夏のプリズム
7
そよ風が水面の月の影砕き きらめく波紋銀のさざ波
3
星流るまた一つ消す住所録 君の残せし文字をなぞりて
5
ハグ出来ぬ哀しみ抱き秋薊 夕日のなかに影のみ重ね
6
溽暑とふ風死す午後の音頭瀬戸に 低き汽笛の重く響けり
7
海鳴りは地球の鼓動ごめ渡る 白き翼が波を蹴り立ち
5
葭すだれ揺れる京都の二寧坂 だらりの帯も闇へ消へゆく
4
口つく゜む出自明かさぬ鬼浅利 闇の深さに殻を閉ざして
4
来歴は語らぬおんな吾亦紅 秘めしくれなゐ命燃やして
4
墓洗ふ眠るは企業戦士たち 熱き背中を思ひ起こして
3
不整脈抱へて生きる雲の峰 中に刃のいかづちも秘め
7
会者定離風となりゆく秋遍路 残す足跡風が消しゆく
5
盥(たらい)船一入(ひとしお)あかき佐渡夕焼け 波の彼方に浮かぶ島影
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母ごころひそかに疼く秋鴉 巣立ちしあとの夕闇の濃し
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ひみつ基地失せしふるさと遠蛙 友もの消息風が届けし
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