Utakata
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彩雲2
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はんなりや蛍火茶会の闇動き 胸のほたるをそっと放たん
6
秋桜を風あるように活けし午後 部屋の空気のふわりと動く
23
いざよふ月覗くチャペルの懺悔室 過去の私をそっと葬る
7
点灯夫いづこに在りや銀河濃し 逢へぬあなたの面影を追ふ
5
その先は修羅とは知らず星流る 赤く尾を曳き銀河の果てへ
7
秋が降る紅い斜光を曳きながら 冬の匂ひを手繰り寄せつつ
8
夕焼けが一瞬にして幕おろす タイムラプスが暴く寂しさ
5
またひとつ昭和遠退くその夜更け 一人唄ひぬヨイトマけの歌
6
犬の遠吠え天の川氾濫す 銀の飛沫に溺るる星座
5
ルビ多し妣(はは)の写経に秋ほたる 闇に消へゆく光かなしも
11
灯を点し矜持は捨てず石路(つわ)の花 いつか誰かの足元照らす
6
慟哭のゴジラ岩見る能登の月 砕けし波の声なき叫び
4
刻(とき)の色まとひて咲ける酔芙蓉 うつろふままに暮るる夕映え
10
水割りの氷カランと夜の秋 更けゆく部屋に虫の声満つ
6
かなかなと消へゆく風のビブラート ピアノの鍵(キー)が拾ふ残響
4
虫喰へる庭の古木の幹を剪る 老いの仕舞ひは切なきものよ
5
秋茜コキアの森に迷ひ込み 紅濃ゆき湖に戸惑ふ
5
口裂けの魔女にも似たりパンプキン 渋谷の街を見下ろす窓辺゛
5
斑鳩の里へ咲き満つコスモスに そっと寄り添ふ影法師ひとつ
4
妣(ひ)は考(こう)に逢へただろうか星月夜 瞬く光かさなり合ひて
5
はやぶさに動体視力試されて 瞬きひとつ許されぬまま
8
忽然と消へゆく風の曼珠沙華 秋の夕陽の名残り留めず
8
見えねども漂ふ甘し香がいのち 庭にきはだつ秋のことぶれ
6
王朝の絵巻へ翳す実むらさき 式部の筆の跡をなぞりて
8
変りゆく時の流れに追ひつけず 記憶の糸を手繰り寄せつつ
9
「名残り雪」流るる駅の二番線 ホームの端に見送りし母
10
金明竹(きんめいちく)照らす月影眩しくて かぐやが還る道を照らせり
7
鈴虫の潜む聴力検査室 サイン送るも虫の声なり
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天神碕宙返りする夕つばめ 南へ向かふ旅のさなかに
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皿に盛る無花果美味のコンポート ワイン色した吐息を漏らす
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