Utakata
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彩雲2
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伎芸天遠き眼差し奈良の秋 胸の愁ひも解けてゆくらし
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托卵は未必の故意か霍公鳥(ほととぎす) 血の宿命(さだめ)をば誰も責めれず
6
潮騒がそっと奏でるプレリュード 静かにひらくこころの扉
5
一二三狸のダンス証城寺 負けるな和尚ポン・ポコポン
5
かなしびの重荷背負ひし蝸牛 殻のひみつはたれにも告げず
8
ステルスの低空飛行秋つばめ レーダー避けて雲の彼方へ
8
星生(ほっしょう)の窓から見上ぐ星明り 銀河の海に君を想へり
13
聴こへくる柘榴の叫び断末魔 夜の果てなる果実のワルツ
5
峯入りの合図に渡る無明橋 踏み出す足に迷ひはあらじ
5
虫送り黄昏せまる千枚田 夏の終はりを告げるかがり火
9
絵手紙を紙飛行機に托す秋 遠きあの日の一歩踏み出す
5
はたた神鎮めマリアの不整脈 天の怒りを我が身にうつし
3
半化粧目覚めし猫か眉をひき 雨の匂ひのしたたる窓辺
3
けぶる雨美女の憂愁合歓の花 結ばぬ縁雨に流さん
6
石鎚の山の妖怪ご来迎 霧の彼方に浮かぶわが影
8
きこりこの里に茅葺流刑小屋 響くささらにいにしへ思う
5
嫁ぎゆく狐に持たす烏瓜 灯となりて道を照らさん
8
わが裡に萩は乱るる迷い窓 乱るるままに夜は更けゆく
5
埴輪の眸(め)色なき風が吹きぬけど 誰も語らぬ孤独の行方
5
落とし文開きてひとつ罪を負ひ おそれて渡る戻り橋かな
6
瞬間移動(テレポート)術は明かさぬ銀やんま 時空の歪みかすめて消へぬ
6
地上絵とふ神の青春グラフィティー いまもナスカの風に吹かれて
3
美々しくも老ゆマドンナは酔芙蓉 枯るる間際も気高くありて
4
頭陀袋風に吹かるる夕遍路 鈴の音だけが闇に響けり
8
マネキンの欲しき長袖今朝の秋 ショーウィンドウに映るわが影
5
蝉しぐれ杜の緑を震はせて ふっと途切れる風のゆくへか
7
媚を売る本の背表紙覗く秋 栞の紐が小さく揺れる
5
しゃらしゃらと風とお喋り吾亦紅 そっと寄り添ふ影の愛しさ
7
高志国に探すかげろふ火焔土器 時をこへてぞ巡りあひける
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行合ひの空の余白へ鰯雲 微かな風も秋を連れきて
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