Utakata
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彩雲2
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編み笠に涼しき瞳風の盆 坂の町並み灯はゆれて
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佐州へと渡る番の朱鷺の影 夕日に溶くる鴇色の羽
5
水門を開けろとねだり鯔跳ねる 川辺の犬も吠えて応へる
6
夏がすみ隠す妙義嶺鷹戻し すくむ足元雲の湧き立ち
4
わたすげの浄土平の舞踏会 風のタクトに揺るる白妙
6
奥美濃の郡上八幡秋つばめ 雲井はるかに影も消へゆく
9
ワープする術は明かさぬ鬼やんま 瞬くあはひ夏は消へ去り
6
花車(きゃしゃ)な娘が三味を操る風の盆 笠の隙間に月は照らさず
6
華やぎも何処か哀しき風の盆 そっと寄り添ふ胡弓の調べ
7
メゾフォルテ奏でよ雨の遠蛙 眠りにつきし街のルフラン
5
黄昏に鯔の寝返り汽水域 銀のうろくづ夕日に晒し
5
秋天へ鳶の滑翔伊良湖岬 恋路が浜に寄せる波音
4
ことづてを螺鈿(らでん)の翅へ銀やんま あの日見上げし宙をめざして
12
烟る街黄砂降る日の点描画 夕日溶けゆく砂のキャンバス
4
茜さす京の町屋の夕化粧 簾ごしなる白き項よ
4
「遅くない」齢六十蟬しぐれ 剣客武蔵ふつと呟く
5
蟬しぐれ被爆ピアノと合奏す いま生きる身の命ふるはす
3
かなかなと消へゆく風のビブラート 「また何処かで」は別れの言葉
3
ソプラノにバスで応ふる牛蛙 夜の静寂にタクト振る風
27
蜩のか細き聲に暮るる鄙(ひな) 風よりほかに訪ふ人もなし
5
亀鳴くや涙腺ゆるぶ無言館 声なき声の満ちわたる中
7
石庭のさざ波うごく蝶の翅 一瞬にして時は止まりぬ
4
セラヴィとふ言葉身にしむ秋の暮 赤き落日空の彼方に
3
若き日の己が姿を探せども 祭り囃子の後ろ影のみ
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燭の灯が消ゆ四日目の大賀蓮 息をひそめて見届けにけり
4
蛍烏賊海の発光ダイオード 青く静かに夜を染めゆく
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翳りゆく季節に急ぐ百日紅 散り際みする夕暮れの風
6
墓碑銘に触れて確かむ霧の指 涙にかはり石を濡らして
5
若冲の絵より脱け出す鶏頭よ 絵師の狂気を宿して歩む
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埴輪の眸(め)濡らす夜霧や百舌古墳(もずこふん) 星のあかりの滲む寂しさ
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