Utakata
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蟇田いちを
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上洛す 茶を勧められ礼を言い いけずも識らぬ我
東人
(
あずまびと
)
9
デイケアで喧嘩取り成し
撲
(
う
)
たれたる
義父
(
ちち
)
の遺伝子
担
(
にな
)
いし妻は
6
詮なしと打ち棄てられたる鉢ひとつ 月下美人いざ
綻
(
ほころ
)
ばん
8
地域猫 宵の口まであやしたる 七歳男児は放置子なりや
8
落武者がタイムスリップして現代に定着したのがクレーマーです /五蘊斎 雲握さま
4
詠むうたの
厭世
(
えんせい
)
にむけ傾きつ 猫の
訪
(
おとな
)
い絶えて久しく
12
夜蜘蛛にねぐら貸したるアンテナの もたらしたるは悲報ばかりなり
11
驟雨
衝
(
つ
)
く
番
(
つが
)
わぬ鳩の声低く などてこの世に生み落とされしと
6
後出しのジャンケンばかり強くなり
戦
(
いくさ
)
に負けし民の定めか
8
反抗はその対象への
依存
(
アディクト
)
だと 葛西のマックでインド人が言い
16
「友達は失業保険でやってるわ」
NOKKO
(
レベッカ
)
は歌いしバブルの頃に
6
ディンギーが渚を滑る夏にきて 涙も凍る冬逝きにけり /昼行燈さま
8
階層を移動しがたき世に
厭
(
あ
)
きて 帰依たてまつらんルッキズムへと
4
流れゆく日々刻々の微分値は
三十一
(
みそひと
)
という素数であると
13
滾
(
たぎ
)
り湧く
岩漿
(
マグマ
)
の球の薄皮を 大地と呼ぶに
頼
(
たの
)
もしげなし
11
逝くものは 苦楽の連環脱ぎ捨てし 憐れむなかれ悲しむなかれ
11
花火への電車華やぐ浴衣にて傘は握れどその手は握れず
10
倒木の
脅
(
おびや
)
かしたる払暁は 売別荘地に看板朽ちて
10
カメムシの棲みける戸板の狭間にて 恋文の
反古
(
ほご
)
ひらかれるを待つ
8
嘘 回 答
(
ハルシネーション
)
とり繕いたるAIの 自己防衛こそ人間顔負け
11
野辺送り。 盛夏の
午
(
ひる
)
の鳩の声。 おさなご呼ばわるアンパンマンを
8
定時すぎエナジードリンク求めたる さながら令和のヒロポン中毒
9
Amazonに返金求めるかの如く 新入社員は退職願を
9
鼻先に地球の引力感じつつ
騙
(
かた
)
るピノキオ スマホを握り
7
亡き人の生活スマホに在り続け
法要墓石遺骨
(
たましいのないぬけがら
)
むなしき
11
日曜の午後の日差しが呼び起こす オルガンの音 カレーの黄色
13
警察の調べによれば
容疑者
(
トクリュウ
)
は 羅生門から来た タイムマシーンで
9
虫襖
(
むしあお
)
の新幹線にて帰りくる 右手に煌々 ミ ヤ リ サ ン の文字
9
熊が出る
トクリュウ
(
おいはぎ
)
跳梁跋扈する 文明などが
後退
(
あとずさ
)
りする
15
巨星堕つ
ヒュフテヴィッセンシャフトラー
(
尻 学 者
)
と呼ばれし碩学 山田五郎が
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