Utakata
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蟇田いちを
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ディンギーが渚を滑る夏にきて 涙も凍る冬逝きにけり /昼行燈さま
8
階層を移動しがたき世に
厭
(
あ
)
きて 帰依たてまつらんルッキズムへと
4
流れゆく日々刻々の微分値は
三十一
(
みそひと
)
という素数であると
13
滾
(
たぎ
)
り湧く
岩漿
(
マグマ
)
の球の薄皮を 大地と呼ぶに
頼
(
たの
)
もしげなし
11
逝くものは 苦楽の連環脱ぎ捨てし 憐れむなかれ悲しむなかれ
11
花火への電車華やぐ浴衣にて傘は握れどその手は握れず
10
倒木の
脅
(
おびや
)
かしたる払暁は 売別荘地に看板朽ちて
10
カメムシの棲みける戸板の狭間にて 恋文の
反古
(
ほご
)
ひらかれるを待つ
8
嘘 回 答
(
ハルシネーション
)
とり繕いたるAIの 自己防衛こそ人間顔負け
11
野辺送り。 盛夏の
午
(
ひる
)
の鳩の声。 おさなご呼ばわるアンパンマンを
8
定時すぎエナジードリンク求めたる さながら令和のヒロポン中毒
9
Amazonに返金求めるかの如く 新入社員は退職願を
9
鼻先に地球の引力感じつつ
騙
(
かた
)
るピノキオ スマホを握り
7
亡き人の生活スマホに在り続け
法要墓石遺骨
(
たましいのないぬけがら
)
むなしき
11
日曜の午後の日差しが呼び起こす オルガンの音 カレーの黄色
13
警察の調べによれば
容疑者
(
トクリュウ
)
は 羅生門から来た タイムマシーンで
9
虫襖
(
むしあお
)
の新幹線にて帰りくる 右手に煌々 ミ ヤ リ サ ン の文字
9
熊が出る
トクリュウ
(
おいはぎ
)
跳梁跋扈する 文明などが
後退
(
あとずさ
)
りする
15
巨星堕つ
ヒュフテヴィッセンシャフトラー
(
尻 学 者
)
と呼ばれし碩学 山田五郎が
10
「多様性」
(
ダイバーシティ
)
尊重したる弊社では 主張ばかりが百鬼夜行す
10
青田より
炎
(
ほむら
)
の如く立ち昇る 陽に炙られし泥のため息
13
梅雨明けて硬度増したる陽の光 リンと立つのはaikoの夏か /ちゃうだ様
9
在屋頂
(
やねのうえ
)
一只老猫看天空
(
おいたるねこがそらをみる
)
等往虹橋的航班
(
にじのはしへのフライトまって
)
11
目の前のくらしといのちに執着し いしずえ崩しし
賢
(
さか
)
しき世代よ
8
選択と淘汰と適応繰り返し 揺るぎなくたつ このディストピア
12
母と子と融合したる自転車に 人間魚雷の覚悟を観たり
10
真夜中のお勤め終えて訪ねくる 四つほど源氏名もつ
地域猫
(
みけ
)
19
偏りて 奢り自惚れ酔い痴れる 世間はこれを老害という
11
図書館に無断で自著を置くごとく 「投稿する」のアイコンを押す
16
服を脱ぎスマホを切ると起動する あなたとじゃない方の日常
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