蟇田いちを
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ディンギーが渚を滑る夏にきて 涙も凍る冬逝きにけり /昼行燈さま
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階層を移動しがたき世にきて 帰依たてまつらんルッキズムへと
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流れゆく日々刻々の微分値は 三十一みそひとという素数であると
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たぎり湧く岩漿マグマの球の薄皮を 大地と呼ぶにたのもしげなし
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逝くものは 苦楽の連環脱ぎ捨てし 憐れむなかれ悲しむなかれ
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花火への電車華やぐ浴衣にて傘は握れどその手は握れず
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倒木のおびやかしたる払暁は 売別荘地に看板朽ちて
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カメムシの棲みける戸板の狭間にて 恋文の反古ほご ひらかれるを待つ
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 嘘 回 答 ハルシネーションとり繕いたるAIの 自己防衛こそ人間顔負け
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野辺送り。 盛夏のひるの鳩の声。 おさなご呼ばわるアンパンマンを
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定時すぎエナジードリンク求めたる さながら令和のヒロポン中毒
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Amazonに返金求めるかの如く 新入社員は退職願を
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鼻先に地球の引力感じつつ かたるピノキオ スマホを握り
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亡き人の生活スマホに在り続け 法要墓石遺骨たましいのないぬけがらむなしき
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日曜の午後の日差しが呼び起こす オルガンの音 カレーの黄色
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警察の調べによれば 容疑者 トクリュウは 羅生門から来た タイムマシーンで
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虫襖むしあおの新幹線にて帰りくる 右手に煌々 ミ ヤ リ サ ン の文字
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熊が出る トクリュウおいはぎ跳梁跋扈する 文明などが後退あとずさりする
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巨星堕つ ヒュフテヴィッセンシャフトラー尻  学  者と呼ばれし碩学 山田五郎が
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「多様性」 ダイバーシティ尊重したる弊社では 主張ばかりが百鬼夜行す
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青田よりほむらの如く立ち昇る 陽に炙られし泥のため息
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梅雨明けて硬度増したる陽の光 リンと立つのはaikoの夏か /ちゃうだ様
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在屋頂やねのうえ 一只老猫看天空おいたるねこがそらをみる 等往虹橋的航班にじのはしへのフライトまって
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目の前のくらしといのちに執着し いしずえ崩ししさかしき世代よ
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選択と淘汰と適応繰り返し 揺るぎなくたつ このディストピア
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母と子と融合したる自転車に 人間魚雷の覚悟を観たり
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真夜中のお勤め終えて訪ねくる 四つほど源氏名もつ地域猫みけ
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偏りて 奢り自惚れ酔い痴れる 世間はこれを老害という
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図書館に無断で自著を置くごとく 「投稿する」のアイコンを押す
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服を脱ぎスマホを切ると起動する あなたとじゃない方の日常
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