Utakata
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蟇田いちを
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白鳥の集える稲田に落穂あり 性能悪し稲刈機だと
12
故郷
(
ふるさと
)
に峨眉の名冠する橋ありと 思い出さるる
御作
(
ぎょさく
)
に接し(彩雲
2
様)
7
時きたる 雲の陰でも満ちる月 欠けてゆくことためらいもせず
18
大水に浸かる稲穂はうなだれて 刈ってやれぬを詫びるは誰か
20
キー回し自販機コーヒー握りしめ 水温計が目覚めるを待つ
11
猛暑などなかったような空の色 駅からの道汗もかかずに
20
杖をつく
翁
(
おきな
)
に席を譲りたる男は「出し子」勤めしあとに
13
欲もなく手に職もなく知恵もなき子らに復讐されて夕暮れ
9
車窓から見る三毛猫に懸想して途中下車する土曜日の午後
17
スマホ見て歩く老若男女ども 足踏み外して地獄に堕ちよ
8
新米の季節を前に安くする 業突く張りの業の深さよ
12
脳汁に支配されたるドパガキよ 君らは示す生の本質
7
気がつけば他人の人生歩みおり 彼がこうした誰がどうした
6
吊し上げ干され晒され飛ばされて 会社ではなく洗濯物が
13
神妙な顔でこの場を乗り切ろう 実はなんにも聞いてないんだ
16
世過ぎして魂揺れることもなく我が粘膜は踵の如く
4
虫の
音
(
ね
)
を声と聞きなすことあれど いと憎きかなあぶれ蚊飛びぬ
8
みちのくに芋煮の煙立つうちは 歩み
留
(
とど
)
めし短き秋は
19
秋空のキンモクセイが呼び覚ます昭和の記憶 芳香剤か
9
三十一
(
みそひと
)
の暗号文を解き明かす 世界の輪郭掴み取らんと
18
心病む友はこの世の一切を支えて耐えるアトラスに似て
22
毎日がつまらないのと君は言う その生活を選んだのも君
10
キレる子と呼ばれし子らは親となり 何を想うかキレる我が子に
12
鬼皮の渋で染まりし指先が吊り革を持つ月曜の朝
19
沖つ島珊瑚の海で手折られし をとめ安かれ 毒麦刈らる
10
笑点やサザエさんでも揺るがない 精神力を私はほしい
12
ヒグラシにシンクロするはカネタタキ グラデーションで季節は移り
7
まどろみのあわいに浮かぶ言の葉の
芳
(
かぐわ
)
しさのみ残して去りぬ
17
ぬいぐるみ打ち捨て群れに潜り込み パンチは笑う「してやったり」と
11
感情に駆動されざる行動はもはや反射の域に達して
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