蟇田いちを
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満身にデフレの毒の回りたる 使わぬ金は増えることなく
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災難に耐えて花実が咲くものか 家に縛られたおれるなかれ
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枝分かれ2のべき乗2 ^ nの可能性くぐり抜けたる今日の凡庸
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花びらを裂きて額に貼りつける立葵たちあおいなり鶏頭けいとうではなく
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湯に浸かる。デジャヴ既視感覚えし垂乳根のはらを借りたる最後の朝の
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のこされし子らはその手を床に延べ 母の温度をかき集めたる
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東国も雲の歩みのくなりぬ いるかdolphinに乗りて颶風ぐふうきたれり
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項垂うなだれて膝の間に過去を追う 西陽にかれ雲梯の陰
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抽象と具象の満つる壺ありて 掬い上げんと言葉まさぐる
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あざなわれ縄となるべき禍と福の とけて久しく禍に偏りて
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咲かぬままつぼみにわかに手折られり その手は神のものであるべし
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窓下ろす CHANELの残り香聞こえ来て 銀座二丁目午前四時半
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大暑なり かえりみられず太る柿 日を照り返す葉にいだかれて
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流れ来る 嘘で編まれし花筏はないかだ ただ流れゆく ソーシャルメディア
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ビール瓶 玉なす露を身にまといマウンドに立つ球児の赤銅しゃくどう
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くすぶりし薪より落ちる灰汁あくありて 絞り出したるうたの苦さか
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猫どものおとない来たる かわいいはかわいそうと紙一重なり
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古巣にて椅子買い換えんと母五脚 父は二脚で充分といい
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朝まだき 過ぎたる酒のすだく 蚊の鳴く声の太々ふてぶてしさよ
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上洛す 茶を勧められ礼を言い いけずも識らぬ我 東人あずまびと
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デイケアで喧嘩取り成したれたる義父ちちの遺伝子にないし妻は
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詮なしと打ち棄てられたる鉢ひとつ 月下美人いざほころばん
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地域猫 宵の口まであやしたる 七歳男児は放置子なりや
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落武者がタイムスリップして現代に定着したのがクレーマーです /五蘊斎 雲握さま
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詠むうたの厭世えんせいにむけ傾きつ 猫のおとない絶えて久しく
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夜蜘蛛にねぐら貸したるアンテナの もたらしたるは悲報ばかりなり
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驟雨く つがわぬ鳩の声低く などてこの世に生み落とされしと
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後出しのジャンケンばかり強くなり いくさに負けし民の定めか
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反抗はその対象への依存アディクトだと 葛西のマックでインド人が言い
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「友達は失業保険でやってるわ」 NOKKOレベッカは歌いしバブルの頃に
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