五蘊斎 雲握
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詠人不知

田の群に 包囲されたる 東屋の 耳をすませば 四面虫の音 
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嗚呼無情 洗顔剤は 梨礫  巻きて絞りて ワンチャンあるか
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山の縁 浮き雲寄せて 浅緋あさあけの 雲の冠 戴く社木
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虫の音を 織り交ぜつつも つくづくと  静けさ紡ぐ 宵の細雨よ 
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碧空に 雲霞の如く 立ち上がり  噂に聞きし 竜の巣なりや 
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朝の戸を 訪て叩くは 夏の影  秋の袖引き いまさら何を
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夕星の まばゆき光 夜の標  天道の威を 返し輝く 
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善き人も 富貴なりしも 花の色  うつろひにけり 変はりゆく身は
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寝冷えして 布団引き寄す 術もなし すでに占拠の 猫太極図
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朝ぼらけ 犬引く人の 道端に お犬動かじ 佇むばかり
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浮き雲を 碧空に描く 御息かな  風の宮にて 筆を執るらむ
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蝉時雨 残る暑さに 大汗も 身に吹く風は 秋の曙
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盆明けて 人の業ゆく 万物は  変わらず今も 星霜を経る
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海の縁 雲立ち上がり たなびけば 古の歌も 同じ雲見や
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家猫の 盆座布団に 寝姿も またのお目もじ スマホにて撮る
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日照りても 晩夏の風の 住み良しに  暑き日数ゆ 奥州の夏
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東雲に 茜さす畔 虫の音の 袖振るごとく 明ける朝日よ
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妹の犬 乳母車乗せ 散歩道 チャンと言わぬが 冥府魔道を行く
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おいらせの 大和まつろわぬ 阿光坊 上代の語り 今にぞ見ゆる
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豊旗の 雲押し寄す わたの軍 浜風魁て 稲田を揺らす
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暁と 諸共に過ぐ 霧帷 虫の音枕に 朝迎え持て来
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車馳せ いざ鎌倉と 麺屋行く 定休日にて 踵を返す
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喉鳴らし 飯問う家の 虎の刻 いつ代はりぬる 暁と東雲
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供え物の 処理係に 任ぜられ 務めて食うも 盆明け危うし
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墓脇の 田の穂出るを 見届けて 盆きたりたるを しみじみ偲ぶ
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道霞む 夕入る間に 一雨の  予報悪し参る 寺の坂道
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ハチワレの お腹触れば ペロペロと ケリケリ混ざり我 じっと手を見る
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そこここと 率て歩きかれ 衣服屋の 椅子止まり木に 着たきり雀
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み吉野の 行くは遠きに 松の家 車で馳せゆ いと腹すきや
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ハチワレの 飯食らうは うわばみの 三毛膳まもる吾 徒士の勤めよ 
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