五蘊斎 雲握
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詠人不知

青森の 港に寄りて 見る空は 岬を繋ぐ 雲の架け橋
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西空の 暮れかかる雲 日の染め屋 茜に仕立て 空へと流す
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秋花火 音壁叩き 照らす窓  酒用意せば しじま来りし
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窓にさす 東雲の灯り 壁染めて  朝の務めの 猫と戯る
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囃子音の 聞こえぬ空に 欠け月と 二人酒飲む 寂寂として
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夜をこめて 猫纏わりに 計られて 眠たき人は 餌蓋開く
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暁の 東の端に 墨雲は  海にそびゆる 遠山に見え
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道辺にぞ 咲けるは妙に 美しき  触れなば祟る 曼荼羅華かな
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小人とて 忙しき日々を 重ねつつ  不善なすにも 甲斐性もなし
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秋空に 薄絹掛ける 風の御手 地に腕伸ばし 稲穂を撫でる
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碧空に 白線描く 飛行機は 雲間を繋ぎ 串焼きに見ゆ
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稲上を 駆けゆく風の 足跡は トンボ追いたる 秋の稚児かな
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秋晴れに 稲刈る田面 眺むれば  はさ掛け隠れ 遊びし日々よ
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秋の田の 刈穂の籾を 袋詰め 我が作業着は シリカにまみれ
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十五夜の 空を見れども 我が地では 薄雲に隠る 朧月かな
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風そよぎ 落ち葉降りしく 社庭  光帯さし 物のあはれよ
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甲田根の 先の山より 吹く風は 木の葉揺らして 言の葉つぐむ
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田を照らす 秋月肴に 酒飲めば  腹の虫鳴き 月よりお萩
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秋月に 囃子音響く 祭り夜の  提灯眺め 呷る酒かな
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久方に お目見えせし 秋月の 稲穂かしづき 風と夜宴す
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秋の田に にわかに雨の 気配して 耳惑いけり 蛙の雨鳴き
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薄暗き 部屋に雨音 聴きながら  猫を胸抱き 虚ろえる朝
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久しきに 声こそ聞けり また見むを 心にかけて 待ち過ぐ日々よ
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秋づきて 刈るべき田面を 濡らす雨  枕に響きて 晴れを待つかな
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雨たちて 道に連なる 街路灯 朧に瞬き 水面を揺らす
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雨したる 暗き雨雲 見上げつつ 祭りの運行 スマホで確認
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道端の ススキは風に なびきつつ 車過ぎれば 頭を垂れる
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身に染みた 指差呼称は 無自覚に 業終わりさす 酒の準備ヨシ
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務めゆく 黄金の田道 佇める 農機の姿に 刈り時を知る
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両に立つ 電柱の間 道ゆけば 遥か先まで 柱の回廊
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