Utakata
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Kite
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若鳶よつがひとなはり命経よ見えぬは寂し空の彼方に
5
雲海を蹴りて飛び立つ若鳶の翼励ます夏疾風かも
7
縄張りの争ひかとぞ思ひしは長元坊の狩りの一瞬
5
風去りて残るパーツに夢のせて羽とカバーの第二の人生
4
あしひきの山の嵐を厭はねば鳶の抱ける白羽は冷へじ
6
うつりゆく季節めぐりて約束の虹のふもとでまた逢ふ日まで
4
悠々と舞ふ鳶の羽に面影を重ねて見つる
愛
(
かな
)
し銀鳩
8
迷ひ来し六キロ先の山羊なれど我が手すり寄りなつく愛しさ
5
うたた寝の夢路に響く
青葉木菟
(
づく
)
の声覚むれば
夜半
(
よは
)
の静けさにして
7
「銀おいで」呼べば手のひら舞い降りる温もり探す写真の君に
5
手のひらの温もりを知る銀鳩の我が顔うつる小さな瞳
4
いは崩る嵐の夜をも白羽なる雛を抱きて鳶は守らむ
4
暮れゆくも空の茜に染まりたる愛しき日々となほも輝け
13
今いきるひと息の幸身に満ちて樹々の響きに心もとけぬ
6
うつろいし人の好みのかずかずをよそに舞ふ鳶ずっと愛づるも
4
正面の顔は愛らし
黒禿鷹
(
クロコンドル
)
なほ惹かるるは里の鳶かな
5
ふんだんに素材あるゆえ彫り進む鳶の姿を夢に見ながら
6
あかあかと梅雨の晴れ間を舞ふ鳶に我が心まで晴れゆくごとし
6
いさご積み造るる瀬々の水清み待つとし聞かば鳶も来なむを
3
排気音万獣怒る山あいに響く地鳴りは神の鉄槌
4
街を出で遅き車輪を睨みつつ心は鳶の棲める山々
3
十とせ経し変わり果てたる街並みにスマホの地図を頼まば迷子
4
梅の雨霞む彼方へ響きゆく鳶の声なき寂しき空よ
3
嘘の城築きし君の傲慢に正論届かず怒り渦巻く
3
刺されしと見れば倍する足の腫れ長き田舎も油断ならぬな
7
雨宿る太き猫ぞと見しものを露のまに見ず奔る野うさぎ
3
霧のぼる谷の合間をぬふごとく雛を思ひて飛び立つ鳶よ
4
鳴く声も飛び立ちざまも似たれども我が待つ鳶に非ずとぞ知る
5
長雨降る梢の奥に籠りつつ世をば見つめる鳶の寂しさ
3
鳶の目の映すうつし世写さむと染むる筆なき我が手恨めし
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