Utakata
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Kite
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排気音万獣怒る山あいに響く地鳴りは神の鉄槌
4
街を出で遅き車輪を睨みつつ心は鳶の棲める山々
3
十とせ経し変わり果てたる街並みにスマホの地図を頼まば迷子
4
梅の雨霞む彼方へ響きゆく鳶の声なき寂しき空よ
3
嘘の城築きし君の傲慢に正論届かず怒り渦巻く
3
刺されしと見れば倍する足の腫れ長き田舎も油断ならぬな
7
雨宿る太き猫ぞと見しものを露のまに見ず奔る野うさぎ
3
霧のぼる谷の合間をぬふごとく雛を思ひて飛び立つ鳶よ
4
鳴く声も飛び立ちざまも似たれども我が待つ鳶に非ずとぞ知る
5
長雨降る梢の奥に籠りつつ世をば見つめる鳶の寂しさ
3
鳶の目の映すうつし世写さむと染むる筆なき我が手恨めし
3
油絵の
黒禿鷹
(
クロコンドル
)
に恋すれど値札の桁に息をのむかな
4
ひさかたに静けさ恐れ向かふ先老いたる幹の地に還りけり
4
不条理の塊落とす黒き鳥怒りの焔胸に燃え立つ
5
里川の鳶映したる水鏡見惚れて落ちぬ波の立ちける
4
薪割りの斧に振られて尻をつき「今のは練習」誰もいぬ森
12
トビの輪を探し見上げる空なのにノスリが飛んでため息ひとつ
4
仮住まい二日ももたず逃げし人二度と迎えぬ里の冷ややか
6
木末にて寄り添ふ鳶のひとむれに荒みし心灯りともるや
6
鳶が鳴く里山の鳶けふも鳴きあすも鳴くらむ沁むる鳶の音
4
山里に鳶の鳴く声山彦の応ふる声に心和みぬ
6
アンデスの天
翔
(
ゆ
)
くコンドル巌しき眼見渡す先に群るるビクーニャ
4
鳴きやみて森に紛れし青葉木菟つがひ得にけむ夜の静けき
6
憧れを語るあなたに暮らせまい虫と不便の満ちる山国
10
愚か鳥鴉の
餌
(
ゑ
)
とて苦しみて果つるを見まく欲しきなりけり
4
荒れ狂ふ嵐去りなば爪痕の残る大空鳶の舞ふ見ゆ
5
吹き荒るる嵐の空に影見へず鳶はいづこぞ無事と祈らん
8
羽もなき
顔
(
かんばせ
)
なれば見まほしと
黒禿鷹
(
クロコンドル
)
に想ひ募りぬ
7
屋根越えて
鵯
(
ひよ
)
と
磯鵯
(
いそひよ
)
縄張りはどうでもよろしわれ静けさを
5
風に乗りいづくへ失せし黒き鳶ふたたび舞へと雲間をぞ見る
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