Utakata
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Kite
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突然の雨に降られて濡れそぼる槍の雨なら息絶えたのに
6
決めしこと人は信じずかかわらず忘れずいたいは感謝と優しさ
8
限りある命が終わるその日まで鳶の姿を求めて歩く
5
漠然と終わりが近いと感じつつただ静かにその時を待つ
6
夢でさえ願うは一つ灼熱の炎に焼かれ何も残さず
4
願わねど生まれしことの悲しきに生き長らえる悲劇なりけり
6
我が命洗濯よりも終わりたい目覚めぬ朝が来るのはいつか
8
高ぶりし心なだめる薫衣草青紫の風吹き抜ける
5
山里に不便なけれど病院の遠きに通ひ病ひ重なる
6
夢うつつ菩提樹の陰まどろめば茜雲より光さしそふ
5
こもる熱ひととせごとに増す暑さわが身の憂さも極まりにけり
6
左右ある足の長さも太さをも違ふと知りぬ今更にして
7
磐影に鳶をまつまに湯を沸かす心地よき風眠りを誘ふ
4
明日へと希望を繋ぐその人にかける言葉も見つからぬまま
5
生きること諦め踠く人のため涙流せる人でありたい
7
窓すべて開ければ風の涼しきにひとあし出でて暑さ知るなり
12
白詰を守るがごとく咲く薫衣窓より見つる絵の如きかな
11
薫衣草ふはりと香る庭の隅深く吸ひ込み心解けゆく
5
さんぽぢのいつものかはら舞ふ鳶をなぬかぶり見つたなばたの朝
5
雨止みて庭の草引く我が手にぞ四葉光りて心晴れゆく
17
断捨離し物は少なに見ゆれども蔵に余れるよろづのそなへ
8
網目より忍び入る虫避くるべく渦巻くけむり夏を告げをり
15
長雨にふさぐ心をなぐさむと黴を拭ひてひとひ経にけり
7
つゆのひま鳶仰がむと歩めどもまなこ迫るはうとましき虫
4
くれなゐの涙流さぬひととせに空蝉の世の無常知るなり
5
わが足に激痛はしり腫れにけり百足の毒牙為すすべもなき
10
おほつぶの雨ふる空を仰ぎては息をつきつつ鳶ぞこひしき
6
道半ばすべて諦め立ち止まる行く末はただ過ぐる日にして
5
浮き世なる憂れひ忘るる
高原
(
たかはら
)
に黄菅咲き満ち心安らぐ
7
風の香に誘はれ出むくその先に懐かしく散るあの日の欠片
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