Utakata
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Kite
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煩悩にまみれし人をいかばかり避けむと思ふいつの日に解く
1
巌
(
いわお
)
踏み
餌
(
え
)
を
食
(
は
)
む鳶の荒々し野生の命此処に極まれり
3
明けぬ闇竹藪抜けし凪の海足浸しつつ輪る鳶かも
1
我が利のみ追ふ人多きこの世にていつの間にかの安らぎを待つ
3
雲の
路
(
みち
)
越
(
こ
)
ゆく若鳶幸あれと遠く見送る春の夕空
5
羽
(
は
)
をやすめ鳶の微睡み
愛
(
め
)
づる間にこころに増せる思ひ出の影
4
巣立ちゆく
若鳶
(
わかとび
)
の
羽
(
は
)
の健やかに幸多かれと
天
(
あま
)
つ空告ぐ
7
山頂に群るる鳶見て飛べさうに思ほえければ歩み進めり
8
世を去らむその行く末と空飛ぶる鳶のほかには浮かぶものなき
7
利に憑かれ人を困らす人を見つ解き放たれん時をぞ願ふ
11
あきもせずおのれを誇る影法師つきまとふ夜を呪はざらやめ
6
世のつねの苦しみわぶる奈落にてあふぐ光はあはれなりけり
5
険しきを生き抜く鳶に我ならば雲をしのぎて
翔
(
かけ
)
りなましを
10
天つ風乗りて猛くも見ゆるかな烏に弱きその背のいとし
5
鳶の鳴く声のまろきにさそはれて
憂
(
う
)
き世の心なぎにけるかな
11
風にのる鳶のつがひの睦ましみ かたくななるもほころびにけり
6
なきものと思ひし命ながらへて浮世の闇に惑ふぞ悲し
8
ひととせは矢のごと早く過ぐれども ひとひの長きいかに嘆かむ
9
寝も寝ねず思ひあまりて心地よど身は極まりて狂ふ心地す
6
湖
(
うみ
)
の
上
(
へ
)
に投げし結びを鳶とりて あな見事なり
指
(
および
)
立てつる
6
楽はなく むなしきだけの うつしよに 花添へるなら 春紫苑かな
10
人に生れ嘆くこの世ぞ厭はしき自由に舞はむ鳶に成らなむ
9
世を捨てて ひとり住まはむ とすれども 心なき人 われを悲しむ
9
春紫苑
(
ハルジオン
)
踏まれど折れず咲く強さ我にありせば楽に生きまし
8
鳶
(
とび
)
の身になりて晴れゆく大空を心ゆくままかけりたしかな
17
生まれし日嬉しと思ふこともなし更なる苦しみ始まる日なり
7