Utakata
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Kite
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五月雨の雫きにせず糧探してちてち歩む雉のちごたち
5
地響きに驚き鳴ける雉の声揺れ来る前の静寂を破り
8
こずゑよりうちかたぶきて眺めつつ鳶の
愛
(
う
)
さしさ忘れかねつも
5
鳶のまふ空を見上げてゆろめきぬたふるる手にぞ涙落つるは
3
眠れねば山時鳥聞く夜半に本を捲りて朝を待ちなむ
11
空をゆく影を求めて図書館の棚をたどりぬ鳶はおらずて
3
大凪の沖を見おろす高みにて鳶は静かに風を待ちをり
7
黒南風に白詰草の揺るるとき黄鶲の羽光をまとふ
4
日に日にと溜まる澱あり鳶を見ぬ濡るる翼を想ふ日々かな
6
三峯の神の杜にて初に見る鳶はひときは輝きにけり
6
風吹けばこずゑの雫身に受けて黄鶲しのぶ葉がくれの影
5
河原にて珈琲片手に待ちをれば来たりし鳶に逢ふぞ嬉しき
9
雨上がりうなる疾風を切り裂きて響き渡るは鴬の声
3
降りしきる雨の重さにあらねども歳ふる髪は波を打ちゆく
5
ながめ降る白詰草の濡るる日にこずゑの鳶も羽を垂れにけり
16
覆水を嘆く暇はあらじとてただ前を向く旅路なりけり
7
夕暮れを縫い合はせては輪を描く鳶のまにまに消ゆる我が町
6
新緑の吹き抜くる風ピッコロの音にたちまじる黄鶲の声
8
山あいの道を駆けるはスクールバス獣と生きる今の学び舎
6
天つ空また羽ばたけと銀鳩の影の傍ら四つ葉を添ふる
7
白詰の草の青葉に露満ちて祈りて探す四つ葉はいづこ
13
バリバリと山鳴る闇を見据ゑつつただ一筋の朝光を待つ
4
朝露の光る
一瞬
(
ひととき
)
はさみ入れ目覚めの庭にひろがる紫
4
風吹けば一波揺れる薫衣草紫の香に包まれる午後
11
小啄木鳥
(
コゲラ
)
鳴く幹の響きに誘われて雀も遊ぶ木漏れ日の夏
8
夕焼けのひかりを浴びて
赤啄木鳥
(
アカゲラ
)
の羽の緋色がなほも燃へ立つ
6
朝陽浴び緑煌めく
青啄木鳥
(
アオゲラ
)
が明ける世界に調べを刻む
15
草分くるあをだいしやうの青き背の光のごとく消え去りにけり
10
日照雨
(
そばえ
)
降る光の中を親鳶の羽音を追へる幼鳥の舞ふ
5
向日葵の幼き芽立ち見つめつつ今年も暑き夏を待ちをり
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