赤珠
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七草に 降りしきりし 初雨は 土砂降りなりて 帰りを阻む
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街濡らす 仕事初めは 雨予報 乾きし日々も 和らぐと見て
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巳の年が 始まる年始 電車中 やはり見ざるは 振袖のひと
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我若き 頃に試用で 切られし社 晦日で見たり 未だありきを
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古守り 返しの途中みちの 教会は 変わらぬまでも 活気失くせり
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古守り 洗礼受けたる 我が身には 不要なるもの 晦日も返し行く
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歳末に 古守り返す 大師前 初詣備える 露天屋見つつ
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骨納め 父休ませる 帰り道 冬至の道は 和らぎしかな
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南瓜かぼちゃ煮る 普段のおかずと 母言いし されど気付かじ 今日は冬至と
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冬至り 完済知らせ 届きたり 長き戦い 終わるよろこび
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愕然す 初冬の訃報 ミポリンの 遠き街への 何処旅立ち
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コート着て 闊歩するのに サンダルと 裸足の男は いとすさまじき
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兄母も 強く言いたる 職訓やれ されど生活 憂う初冬に
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仏具屋に 若者見ざる 秋の暮れ 神仏はなきか かの者たちは
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晩秋の 寺町歩む 洗礼者クリスチャン 仏具屋並び 異界感ずる
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寒き朝 零キロ標が 述べたるか 汝の旅路 気をつけ行けと
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セール期は 我が身酷使し 身をやつす 休日出るかを 悩む朝なり
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現代っ子 洒脱似合いし 北の富士 力士なし得て 天往く初冬
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二十億 光年にアトム 詩を記す 谷川翁は 果てへと向かい
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父去りて 明けに訪ねし 礼拝で 父の冥福 願う晩秋に
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兄の妻 我驚し その方は 母が裂きたる 元部下なりと
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代替わり 従兄弟いとこふたりも 代わりたり 加わらじは わが身のみなり
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涙雨 父の旅立つ その朝は 何故なにゆえか寒き 秋の半ばに
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父の死で 喪服取り出し まず端に クリーニング頼む 晩秋の夜に
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川口の 花火の音が 響きたる 父への手向けと 祈る立冬に
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ホラー描き 恐怖ありしも 深き題 秋に惜しむる 楳図翁往き
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赤白せきはくの 象徴たりし 楳図翁 漫画を憂いて 秋空に往く
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ドナルドが 返り咲きたる 選挙戦 報せと共に 吹く木枯らしか
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選挙勝ち 政権奪還 狙えども 敵は官僚 晩秋憂う
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与党負け 朝に打ちつく 秋雨は 愚か者への 裁きと見倣せ
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