満月しじま
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 二〇一一年より冠句をたしなんでおります。
 その数年後からは短歌も浮かべば書きとめており、この度そちらも公開することにいたしました。
「満月」は「みづき」と読みます。
 至らない点が多々あるかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

抱きしめる抱きしめかえすその時はどうか自分に嘘つかないで
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もう二年経っているのね秋風がきみと見た海思いださせる
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花屋とはまるで娼館 今晩はいったいどの子を買うのですか
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花束もステキだけれど一輪のバラそれだけで我は幸せ
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ヒトという形のものを人にして恋とは魔法なのかもしれぬ
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そのままの君でいいんだ 自らの白さに雪は気づいていない
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きみの熱わたしの熱とまざりあう冬が寒いと誰が決めたの
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簡単にガラスが割れることもある我を貫く君の一言
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梅干しが嫌いと言った君よ吾がセロリ嫌いと覚えているか
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吾の中で生まれたがっている命これまで何度殺してきたか
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吾がひとり喫茶店にいる日曜日きみは今どこで誰といる
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まさか君、わたしの腕の細ささえ知らないまんま去るというのか
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我の名をあなたの姓につなぎをり 遊びじゃなくてホントにしてよ
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そんな顔するなと君が笑ってる 「嬉しくて泣くならいいでしょう?」
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肩の触れあう距離にいる君と吾のあわいに壁はなにもないはず
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わたくしの秘密の園へたどり着くあなたは紅き花散らしつつ
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薄紅を深き緑に変えてまでおまえは奴を待つと言うのか
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君も見ているかもしれぬ夕焼けの色その色に溺れていたい
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関係が少しも更新されぬから甘い過去に溺れてしまう
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貧相な見てくれだった木蓮は今純白のドレスを纏う
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ひともとの桜の花弁より多き想いをわたし抱えています
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死に向かう君を見ることしかできぬ我 風はなぜ桜を散らす
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薄紅のひとひらがまた地に落ちる自分の余命知っている人
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ひとひらとまたひとひらと地に落ちてうすくれなゐの海になりゆく
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今までに櫻はなにを見てきたか どれほどの生どれほどの死を
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幾度も数多の生を産んできた櫻よなにを思っているの
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櫻木は偉大なる母その身体ひとつで億の命を咲かす
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飛び方を知らないんじゃなくて君は飛ぶのが怖いだけなんでしょう?
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このカップ我の番になる人に使ってほしい たとえば君に
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二次元の海に溺れて喘ぐ我 平穏という言葉を知らず
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