満月しじま
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 二〇一一年より冠句をたしなんでおります。
 その数年後からは短歌も浮かべば書きとめており、この度そちらも公開することにいたしました。
「満月」は「みづき」と読みます。
 至らない点が多々あるかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。

教室でしかあなたには会えなくて憎らしいほど澄んだ夏空
7
海底に沈んだ都市がありまして想い出として生きている君
2
やわらかき桃をつぶして種を出す もう被害者に戻れぬわたし
7
白桃にナイフを入れるやさしさでわたしのこころに入ってきてね
5
三日月の舟で銀河をゆきながら君とナイショの話をしよう
2
同じ色している空と海のよう 惹かれあうことさえ罪ですか
1
攻撃は他人ひとがするのでわたしからわたしへ贈るやさしい言葉
3
病院を出れば二ヶ月ぶりに風秋の色して私をつつむ
2
左手のリストバンドを切る音がこの闘病の閉幕の鐘
2
わたくしを待っててくれる人達にひかりの雨よふってねふって
1
退院の後を想像してみればオーケストラの指揮者の私
2
まだ暗き午前五時前赤ちゃんの写真まぶしく私に映る
1
会いたいと思ってる人と待っていてくれる人が一致すること
1
五時半の雲ひとつない空は青、 紫、ピンク、オレンジの彩
1
ふにゃふにゃのリストバンドにわたくしの八週間は刻まれている
2
粛々と夜の緞帳下りてゆきホホバオイルがなじんだ私
0
ブリだって思わなかったはずだろう死して焼かれて食べられるとか
1
なっちゃんのオレンジジュース口つけて今は少女の私になろう
3
片割れがどこにいるのか知らないで鮭と蒸されたレモンを想う
3
キャンバスに澄みきる青とコスモスのピンクをのせるような声音を
2
電話越し届いた声のやさしさに私の空も青のひと色
1
泣き言を言うより先に闘うの 希望は自分で見つけるものだ
2
わたくしの心の底に海がありそこで涙は産まれているの
2
退院の方に贈ろう 「さびしい」のかわりに詩を数多の花を
1
念ずれば叶うのならばわたくしの祈ったことが事実となろう
1
病室の窓は額縁 青と白 夏は褪せゆき秋は染めゆく
2
しっかりとした眠りから覚めたならなんてクリアなクリアな世界
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食事するその一口目、口内がキューッとしまる これが「おいしい」
1
しずやかな所作で私の手をとってジアゼパムとはやさしいお方
1
空のあお海のあをとが響きあい青い花だけ知ってる秘密
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