いや、王よ、殺したいのは別にそのあんたっつう人間じゃないんだ 1
気づいたら「国民」にされていたこと 割られて赤く散る西瓜の身 0
とりあえずあなたはいるということに、そして世界はあることにする 0
私は、と言うのはいつもおまえからずれ出しているおまえなのだよ 2
情報の砂塵にかき消されながら、とはいえそこにいるらしい人 0
どのへんを爪で剥がせばいいのだろう 視界ではない世界が見たい 1
どこまでもここから遠い身体に比喩として手をさしのべている 3
笑うしかないほど解りあえないが人がいるとはそういうことだ 3
そう、ちょうどリモートでつながりながら誰も外には出られない部屋 0
この肉塊、まあね、そう言うお前らもさらなるその一部分なんだが 1
生むことは酷なことだがやむを得ぬことでもあろう 星が流れる 0
たくさんの動き続けるものを見て、人でなくてもいいと思った 2
今日死んだ蜉蝣の数 あなたしか知らない言葉の消えてゆく数 3
どれだけの独自言語が死んだのでこうして笑いあえているのか 2