カミハリコ
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両脚をそろえしっかり目を閉じる今夜はどこまで沈めるだろう
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きみの血は絶対青いと思ってたのにまさか緑だったとは
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なにひとつ未練はないと言い切った彼と夜明けを見てみたかった
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触れたことのない心臓を抱えて雨が降らない星でおやすみ
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絶望にこわばる指の隙間からこぼれる赤をぬぐう闇色
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白旗を掲げてもなお殴られるそんなコースを泳いでいます
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扇風機にそっぽ向かれただけでこの世の終わりを味わえる夏
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痛いよねかわいそうだねお互いに来世は角を折らずに生きよう
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殺虫剤のトリガーと似たようなものなのだろうこのひきがねは
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泣き方を忘れたままで生きている夏もだれかのただひとつの夏
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馬鹿、バカ、ばか、ぱくぱくしてかわいい君の口だけを眺めていたい
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野菜だよとスイカを齧るこのひとは動物だよとわたしを殴る
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蝉が鳴き始めたら夏で蝉が鳴き終われば秋ならいいのに
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どろどろと糸を引き首筋を這う醜さが執着なのでしょう
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月にくちづけするキリンの足元で血を流し続けるわたしたち
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恐竜の生まれ変わりがうなだれる離れ校舎の解体現場
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ほんとうの言葉を弾いた身代わりに爪がいちまい死んでしまった
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くじ引きで光とともに生きていく方に選ばれなかったわたし
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傷跡を忘れて走り出す彼といろんな夜を駆け抜けました
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放課後にトロイメライを弾いた指わたしの喉を締め上げた指
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追憶の少女その頬つたうのが歓びの涙であるように
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進化から取り残された猿たちは二本の足で立てるふりする
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彼もまた胸に幽霊棲まわせて「あいにいくよ」と微笑むひとだ
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『おまじない』漢字変換しないよう砂糖まみれの声でささやく
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『自分よりしあわせなやつが許せない』首から下げて生きていきなよ
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種明かし前に別れてしまったら鳩が出てこないままの帽子
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そっちへは行きたくないのそれなのに明るい方へあかるい ほ う へ
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改良の結果苦くも甘くもなくなったアンドロイドとのキス
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ひとつずつ角をなぞって見失うトライアングル次はお前だ
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「血を流しながら痛みに耐えなさいこれは祝福」「うるせぇクソが」
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