いしざき
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「さらさら」としか云えぬもの きみの髪(だよね?)木漏れ日(ぽかぽかだもの)更紗さらさ(きみは、音にひっぱられすぎじゃない? と笑う)せせらぎの音
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受賞した展覧会の絵を燃やす 赤に飲まれるバーナーの青火
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書店にて立ち読みすれば千年が経って足場にネモフィラの花
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目が見える詩人は愛を盲目と 見えぬ詩人は光といった
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折れた歯を崇める国があるのです すこし乾いた街が首都です
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お賽銭するのと同じ気軽さで募金できればマシになれるか?
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鉄棒にかかったタオルの静けさが告げる人類滅亡の夏
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日本史の教科書にだけ存在し世界史のにはいないオジサン
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「可愛い」を集めた図鑑あがないて32頁にテトロドトキシン
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「きみ、僕に詠まれている自覚ある?」誰とも知れぬひとが詠む私
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姜しい羌しい恙しい「うつくしい」だけ思いだせない
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深窓の令嬢が誘う五月雨さみだれにトンネルを往く巡回文庫
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女子力が高いと言われてしまうから絆創膏も持ち歩けない
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どうせ君一年経ったら僕のこと忘れてネットではしゃいでんだろ?
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放火魔が絶望するほど荒れ果てた ここに地図などいらないだろうよ
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将棋も短歌も絵も小説も天才になりたいだけの50
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接吻キスなんて銀河系では当たり前だから逃げずに愛を確かめて
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傾国の美女と総理の会食は市営プールのパラソルの下
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山頂の流星群の燃えかすが美しくなく安心してる
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翅脚しきゃくない蜂の触覚が震えている。風が吹いたら分からないのに。
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失恋のために告白したんです そんな簡単に受けいれないで
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電線が空を微塵切りにして素材通りの空はない
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火曜日のフランスパンが焼けるころ新宿駅の8番線ね
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自転車をチャリと呼ばない少年が老婆にぶたれる事件発生
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あの夏のタイムカプセル携えて河原を通り卓袱台で酒
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葬列に並ぶ少女の横顔に恋して以来……こっからは秘密
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声変わりする瞬間の接吻は凛々しいような哀しいような
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「回文」が回文じゃない理不尽に抵抗すべく「んぶん」と名付く
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学者から琥珀と呼ばれる木の涙 太古に言葉は存在しない
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「夏が来て」ここから先が歌えない 夏が来てなんだ? 恋でもするのか?
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