Utakata
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石崎セキ
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「三重はパフェ、茨城はシャム猫」きみの指が踊った地図が恋しい
3
先端が鋭い思いはすべて愛 だってハートは矢尻に似てる
4
どうせなら美味しいパフェとか食べたいし今夜は愛とか気にしないでよ
2
砂をみな桜に替えた花時計 風とおんなじ速さで落ちて
1
こいびとと養老院を抜け出して車輪が雪を踏む音を聞く
3
カッターの
刃
(
は
)
は曲線を嫌うからHELPはHELLより書きづらいんだ
6
浮かぶため速度をあげる飛行機はきみの手首の線を頼りに
1
前の子が繭のまんまで死んだのでセックスすれば繭を身籠る
2
布団からはみ出た指は寂しくていつもわずかに丸まっている
1
オアシスは孤独なのかもしれないね 乾いた海が砂漠だとして
3
樹海
(
しんりん
)
の入り口にある死者たちの恋人を知る公衆電話
4
Yシャツのポッケに眼鏡をぶら下げた君が読んでる岩波文庫
6
わたしにはセンスがないとわかってる 自戒のために短歌を使う
4
海水を両手で掬い離された海の一部の孤独を思う
7
太陽があまねく地球を照らそうとどうにもならない孤独がぼくだ
3
夜の空きわ立たせるためシャー芯をコンセントへと 冷たい火花
4
天井のドアを開けば青空に行ける気がした横たわるビル
1
ピストルを試射するときに使われる的のモデル あれ僕なんです
4
地面から突き出たビルが下歯なら天の
顎
(
あぎと
)
の途方もなさよ
2
充電がゼロになったら心身のゲージが減ってしまう気がして
1
腑
(
はらわた
)
が痒くて腹を掻き切ったクランケのいるイチマルニ号
2
泡沫の意味が膨らむ空間で泡沫を詠むことの困難
2
詩を詠めぬひとになってしまったが空は青くどこまでも青い
2
あの高い空からみれば地は空でわたしの涙は星めいている
3
死にたいといえば本当に死ねる気がするので大事にとっておいてる
4
このいいねゼロの短歌は盗作で評価したのは僕だけだった
2
才能が可視化される世界では生きたくないが
♡
(
いいね
)
の数よ
3
この文が猿が書いた文章である確率を求めよ(
10
点)
3
カレンダー間に合いますか、今年のです。結婚式を明日挙げるので。
2
ハッカーも炬燵で仕事する冬の埠頭の銀魚が鳥に喰われる
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