うるとら凡人
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関西在住のいい加減オヤジです。どうぞよろしくお願いします。

仁徳の現れである過ちを見過ごさずして君子の心
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改めて読み返すたび新しき発見のある良書は楽し
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欲深い年寄りこそはみにくけれますますもって我を戒む
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土いじり手に伝え来る大地の気 心安らぎ元気漲る
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前栽に並んで笑う水仙の待ちわびた春にぎやかに来る
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人の名は世界でいちばん短い詩 だから漢字は大事にしたい
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春なれば水に親しみ山このむ知者と仁者に我はなりきる
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春暁の光を浴びてあの山の向こうの山の向こうにも山
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おかげさま春が来ましたおかげさま私の家族もみな元気です
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持ち帰る仕事を命じ付き合えと酒席に誘う昭和の上司
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近く見る力士はただのデブでないまるでぽんぽん跳ねるゴム鞠
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四年間集いし日々を懐かしみ友を見送るフェリー岸壁
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吉野家の機械で注文するよりもひと声ですむ「大盛り一つ」
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今もなお幾つも幾つも忘れない子どもの頃の母の言葉を
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だんだんと記憶薄れる老いた母 かくも時とは残酷なもの
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眠りこけ終点に着き折り返し元の駅まで戻りし友よ
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早春の風が和らぐ街路樹は今か今かと芽吹く時待つ
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夜白み鳥啼きだして朝が来る昨日と違う自分を始む
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忽然と道が途絶える竜飛崎まさに太宰が見てきたとおり / 『津軽』
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姪っ子の結婚迎え寂しくも願うは桃の夭夭ようようたらん
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終点で車掌に起こされ飛び起きる車掌もたまげて後ろへ下がる
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駆け下りて勢いついて止まれずにそのまま砂に突っ込んだ友
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しわくちゃの汚い紙も気前よくサインをくれた前川清
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笑顔なくただ真剣にひたむきな若い女将の髪がほつれる
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すれ違うそのたびごとに「こんにちは」声かけてきた屋久島の子たち
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卒業を迎えた子らの背を眺め生まれきた日をふと思い出す
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霧けむる九十九島の海浜で出逢いしひとの顔は真白に
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夕影に女子高生の駆け抜ける羽咋はくいの浜のサイクルロード
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春休みの学生寮に鳴り響く青春の日の”微笑みがえし”
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ぎっしりと並んですするラーメンの湯気立ち込める博多の屋台
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