ushikun
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古希を迎えた猫好きの素人歌人です。令和6年4月から短歌を始めました。宜しくお願いします。

雲間から そっと顔出す仲秋の 蒼き名月苅田を照らす 
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苅田から 乾いた藁の匂い来て コンバインの音ゴーゴーと唸る 
19
神無月 目覚むる朝に聞こえしは モズの高鳴き深き森から 
22
齢重ね 歩みし道を振り返る 己を信じ今を生きをり 
22
楽しみは 大きく育ったサツマイモ 孫からもらえる美味い笑顔 
20
金風に 金木犀の香り来て 色づく木々に秋深まりぬ 
25
無花果の ぷっくり膨れし粒先に 蜜を求めし忙しなき蟻 
21
彼岸過ぎ 色づき始めた柿の木に 雀飛び来て葉先に遊ぶ 
29
秋空に 雲がゆるりと流れ行く 今日一日が穏やかであれ 
25
箚さくれた きみの手で研ぐ白米の 冷たき水に手荒れ詫びをり 
22
風渡る 黄金の稲穂頭垂れ 高き空には朱鷺色の雲 
23
畦道に 群れ咲く紅き曼珠沙華 いつか行きたや吟行の旅 
20
旅先の ホームに寄り添ふ老夫婦 互ひを気遣ふ姿微笑まし 
25
秋彼岸 線香烟る墓前にて 日頃の無沙汰一人詫びをり 
19
秋茄子を 嫁に食わすな格言も 歳重ねれば硬くが立たぬ 
12
ささやかな 贅沢だった銘柄米コシヒカリ 値上げの波に高嶺の花と 
20
ススキの穂 風に揺らいで夕空を 箒のように鰯雲を掃く 
22
炎夏過ぎ 淡き秋雲風に乗り 長月の空彼岸迎えをリ 
20
憧れは 泉の如く溢れ出る 言の葉操る万葉の歌人ひと 
23
寝苦しく 眠れぬ夜半に目覚めれば  ちちろに秋の訪れを聴く 
17
日暮れ前 風の涼しき散歩路 ゆらゆら靡くはコスモスの花 
17
朝露に 濡れし稲穂に群らがるは 蝗飛び交ひ収穫知らせり 
21
秋茜 紅き夕暮れ空高く 九月の空に秋見つけをり 
17
遊び来て 狭庭に彷徨うキジ雛の よちよち歩き姿微笑まし 
18
秋茄子の 浅漬けあらば吾夕餉 一汁三菜主菜となりて 
24
惜しむよに 夏蝉の声騒がしく 恋しい秋へ季節は移ろふ 
16
穫れたての 新米の湯気かほり立つ 鰯一尾でも至福の朝餉 
26
菜園に 翁の姿今は無し 蔓草蔓る放棄地と化し
23
漸くに 降りし秋雨明け方の 雨樋の音秋近づきぬ 
17
雨上がり 夜空を照らす月明かり 涼に誘われ鈴虫を聴く 
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