TORAKO
12
24
投稿数
169

日々の想いを三十一文字に・・・

雨上がり栗の花の香匂い立ち迷いこむらむ学び舎の森に
10
餌くわえ巣箱に戻る親鳥が折り返し発つ雲の晴れ間に
18
薫風がまばゆく光る木々揺らし青葉の祭り時は今ぞと
11
人気(ひとけ)なき地下のホームに流れおるBGMにふと涙などする
13
朝ごとに向こう鏡に懐かしき母の面影六十路(むそじ)の我が面(も)
10
口論ののちに届きし母の日の濃い紫の花は沈黙
9
生家には大音量でテレビ見る童女のような叔母ひとりいぬ
10
故郷(ふるさと)の駅に降り立ち足早に近道を抜け生家につきぬ
9
ひさかたの御堂筋線せかせかと人混みぬうて都会人(とかいびと)となる(里帰り)
9
いさかいの翌朝にいう「おはよう」に少し間がある夫(つま)の「おはよう」
13
いさかいの翌朝にいう「おはよう」は一か八かの小さき一歩(ひとほ)
13
同じ時過ごせし夫(つま)との思い出はひとりのものぞふたりではなく
13
「そばにいて…」やっと言いたる我に説く夫(つま)の理屈が蓋をとじさす
10
折にふれ語りかけたき亡き友はライントークの最後尾にをり
21
眠れぬ夜逝きし友への懺悔の念病みたる時に会わざりしこと
11
秋日暮れ吾に届きぬ友の訃(ふ)のラインの文字を何度も目で追ふ
8
父となりし息子の奏でるピアノの音(ね)やさしき曲を子のために弾く
12
戯れて下校する子らその中に孫をみつけし薫風の午後
13
桜舞ふヴェランダで切るネコの爪ビルエヴァンスの流るる朝に
9